2022.02.11
# 北朝鮮

北朝鮮“計11発”のミサイル発射が「挑発目的」の「乱発」と言えないワケ

周到に計画された発射か

北朝鮮は、令和4年に入って正月気分もさめやらぬ5日、いきなり日本海へ向けて弾道ミサイルを発射した。このあとも11日、14日、17日、25日、27日及び30日と、1月だけで7回にわたり計11発のミサイルを発射した。

このような北朝鮮の行為に対して、わが国のメディアなどでは、「北朝鮮がミサイルを乱発し…」というような表現が盛んに使われている。しかし、これら一連のミサイル発射をよく見ると、今回、北朝鮮は、単に米国などの関心を引き寄せるために挑発目的でミサイルを乱発しているわけではなく、「周到に計画した戦略的かつ戦術的目的に基づいて、このように集中的なミサイル発射を行っている」ということが見えてくる。

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ミサイル発射を「時系列」で追う

それでは、北朝鮮が1月に発射したミサイルについて、時系列でその内容を追ってみよう。

(1)5日の状況
5日は、北朝鮮の国防科学院が開発中である「極超音速ミサイル」の発射(性能)試験が行われたと見られ、北朝鮮の報道では、「目標方位角へ120km側面機動して700km(離れた場所)に設定された標的に誤差なく命中した」としていた。

この「極超音速ミサイル」については、2021年9月28日にも北朝鮮が「火星8」と呼称する同種ミサイルを発射しており、今回のミサイルはこれと形状は似ているが最終段階で滑空する弾頭部分の形状が異なっていた。

この5日の発射に対し、韓国国防省の関係者が「探知したミサイルの速度はマッハ6、最高高度は50kmだった。極超音速ミサイルの特徴である上下左右への変則的な動きについては、技術レベルが到達していないと判断した。北朝鮮は700km先の目標に命中したと報道したが、目標には到達していないと見られる」と説明していた。

この速度や最高高度については、防衛省の発表などからもほぼ事実ではないかと思われる。ただ、弾頭部の終末飛翔段階はその高度などから防衛省でも確認できていないと見られ、実際のところは不明であった。

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