「アメリカの利上げ」と「中国の景気停滞」で世界経済にブレーキ…これから株式市場に起きること

村上 尚己 プロフィール

コロナ感染抑制が最重視され経済活動が厳しく抑制されている中国とは対照的に、米欧は2021年にコロナ感染の波があっても経済正常化を進めてきた。政治的にも経済的にも、両者の乖離は広がっていると言える。

 

中国、財政政策の困難

オリンピックが終われば中国での経済活動への制約が緩む、と期待する向きもあるだろう。ただ、コロナ完全克服を標榜した政治姿勢は揺るがず、ゼロコロナ政策は簡単には変わらない可能性が高いと筆者は考えている。

諸外国とは異なり低インフレであるがゆえに本来は大胆に使えるはずの金融財政政策も、中国ではもともと経済安定政策として機動的に機能せず、政治意向が政策判断を決める。2021年後半から中国人民銀行は極めて小幅な利下げを行っているが、今後も2021年に先進国の中央銀行が行ったように、経済成長率を高める大胆な政策は期待できないだろう。

また、中国においては、2010年代から地方政府の国有地利用譲渡収入が財源となりインフラ投資が行われていた。中国の政治事情については、筆者は門外漢だが、「共同富裕」を掲げる習近平政権は、高くなった不動産価格を下落させたいのかもしれない。いずれにしても、不動産ブームが終わり地方政府の税収が抑制されていることで、地方政府の裁量によって経済を安定させる財政政策の発動が難しくなっている。

〔PHOTO〕Gettyimages

「日本化」する中国

経済成長が長期的に低下トレンドに入る中で、政治意向によって金融財政政策がしっかり機能しなければ、経済成長率は必要以上に下振れる。これは、1990年代半ばから2012年までの日本で起きていたことだと筆者は認識しているが、現在の中国はそのときの日本に似ているようにみえる。中国当局は、「日本の失敗」に学んでいるとよく言われているが、政治リーダーの資質が低ければ合理的な政策が採用されないだろう。

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