「アメリカの利上げ」と「中国の景気停滞」で世界経済にブレーキ…これから株式市場に起きること

世界が利上げへ

2022年の米国株市場は、S&P500が1月に約5%下落する波乱の幕開けになった。インフレ沈静化がFRB(連邦準備理事会)の最優先事項となり、FRBの3月利上げ開始が既定路線になるだけではなく、急ピッチに利上げ政策を継続するとの思惑が、株価下落の主たる要因だったとみられる。

更に、ウクライナを巡る米欧とロシアの緊張関係の強まりも市場の不安心理を高めている。米欧とロシアの対立は、天然ガスを中心に資源価格を上昇させるため、インフレ沈静化を目指すFRBの政策対応がより困難になる。

FRBのパウエル議長〔PHOTO〕Gettyimages
 

早期利上げへの政策転換を行ったFRBとは異なる姿勢をこれまで見せていたECB(欧州中央銀行)についても、ラガルド総裁の考えが大きく変わっていることが、2月3日の理事会後の会見で明確になっている。ラガルド総裁は2022年の利上げの可能性は極めて低いと述べていた。

ただし、ユーロ圏の1月CPI(消費者物価指数)が予想外に上振れたことに警戒感を示し、インフレ動向次第では年内利上げ開始の可能性を否定しなかった。現在の量的金融緩和が終了すれば、つまり年内の利上げ開始をECBが想定し始めたとみられる。

FRBに続きECBが利上げ開始を前倒しする可能性が高まっているが、米欧中銀の政策転換が経済成長とインフレを「程よく」調整できれば問題はない。ただ、2021年に経済成長押し上げた金融財政政策が、2022年にその多くが早々に成長抑制方向に転じることになる。

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