クーデターから1年…「ミャンマーの混沌」はなぜ何も変わらないのか

カギを握るのはASEANの調停と介入
大塚 智彦 プロフィール

軍政による必死のアピール

軍政トップのミン・アウン・フライン国軍司令官は、クーデターから丸1年を迎えた2月1日、国営放送の番組に登場して「1年前、我々は民主国家として前例のない困難に直面し、非常事態を宣言せざるをえない事態となった」と述べ、クーデターの正当性を国民に訴えた。

さらに同じ演説の中で、武装市民組織であるPDFなどを「テロ組織が国を破壊しようとしている」と批判、武装した民主派勢力をテロ組織と断じ、対抗するための攻撃、鎮圧が治安維持に不可欠であるとの立場を鮮明にした。

Gettyimages

軍政は1月7、8日にクーデター後初の外国国家元首としてミャンマーを訪問したカンボジアのフン・セン首相と直接会談したミン・アウン・フライン国軍司令官は、国境周辺で軍と対峙する少数民族武装勢力に対して停戦を宣言しており、「少数民族とテロリストは異なる」との立場を強調した。

 

しかし、1日を前にしてシャン州などでは軍と少数民族武装勢力との武力衝突が伝えられるなど、停戦宣言が実効性伴わない軍政の一方的な「政治的アピール」に過ぎないことが明らかになっている。さらに1日には軍政を支持するという市民によるデモ行進の撮影日時不明の映像も国営メディアなどで流されたが、PDF側は「軍政のプロパガンダ」に過ぎないと批判した。

AFP通信は、シャン州タチレク郡区タチレクではこうした軍政支持の「官製デモ」に対する襲撃事件が1日正午ごろに発生し、手りゅう弾の爆発で2人が死亡し38人が負傷したと伝えた。

関連記事