意外と知らない…「国際金融は誰が運営しているのか」その構造

どんな国がどれほどの発言権を持つのか
国際金融は誰が運営しているのでしょうか? 財務省・IMF・世界銀行などで活躍され、『教養としての金融危機』を上梓した宮崎成人さんが解説します。
 

主権国家の集まりである国際社会において拘束力のある決定を行うためには、影響を受ける国自体の合意が不可欠です。一方、国際金融の分野では、経済力や市場規模等の大きな国々の行動が事実上他国に影響してしまうこともありますし、民間企業の行動が実質的なスタンダードとなることもあります。

法的な拘束力があるのは、国際機関での決定です。国際機関に加盟している国々は、その機関が正式に決定した事項に従う義務があります。

例えば、IMFや世界銀行のガバナンスは3層構造になっています。最も権威が高いのが総務会です。これは各国を代表する総務(財務大臣や中央銀行総裁等)が集まって重要事項を議論し、投票を行う場です。すべての加盟国(株主)が参加するという意味で、企業における株主総会に当たります。最重要事項(増資、協定改正等)は多数決のハードルが上がるため、最大株主の米国に事実上の拒否権が与えられています。

決定事項の全てを大臣や総裁の投票にかけていてはとても効率的ではありません。そこで、総務会は多くの事項の決定を理事会に委任しています。

理事は加盟国間の選挙で選ばれますが、投票シェアの大きい国(大株主)は一国で一人の理事を選ぶことが認められ、小国は数ヵ国が集まって理事を出します。

24人(IMF)ないし25人(世界銀行)の常駐の理事会は、週に複数回会合して、例えば融資プロジェクトの承認や予算の承認等、機関の日常業務の決定を行います。

理事会は、企業における取締役会に当たるものですから、機関の職員(スタッフ)が作成した提案を議論し決定すると同時に、機関の業務遂行を監視します。

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