2022.02.09
# ロシア

いよいよ臨戦態勢…プーチンはなぜウクライナ侵攻を目論むのか? その「経済的な理由」

ウクライナ情勢が緊迫の度合いを増している。米国が3000人規模の部隊を東欧とドイツに派遣するなど現地は臨戦態勢に入った。ロシアのプーチン大統領は、本当にウクライナに侵攻するのか、そしてウクライナ侵攻には、どの程度の勝算があるのか、経済面から分析する。本稿はあくまで経済的な分析なので、軍事オペレーションに関する論考ではないことついて留意の上、読み進めて欲しい。

〔PHOTO〕Gettyimages

プーチン大統領の野望

日本は地政学への関心が低く、国家がなぜ戦争をするのかをよく理解できていない人が多い。中国や北朝鮮による各種の挑発行為についても、「中国は日本を侵略しようとしている」「金正恩は狂っている」といった単純かつ感情的な反発がほとんどであり、両国の行動原理に関する分析や議論は驚くほど少ない。

「戦争は他の手段を持ってする政治の継続である」というのは、クラウゼヴィッツの『戦争論』における有名な一説だが、現代における戦争の本質を見事に表わしている。一部の読者の方は不快に感じるかもしれないが、戦争というのは基本的に政治や外交の延長線上に存在するものである。

 

そして、内政・外交と経済は常にセットになっており、最終的に戦争は経済との兼ね合いで決断される(この原理原則を守らなかったのが太平洋戦争であり、結果として日本は国家滅亡寸前まで追い込まれた)。

ロシアや北朝鮮、あるいは中国といった独裁国家は、ごく一握りの指導者が物事を決断するので、(決して道徳的ではないが)行動原理は極めてロジカルである。「雰囲気に流されて」「やむにやまれず」といった日本でよくありがちな意思決定はほとんど行われない。したがって、ロシアがウクライナ侵攻を企てていることには明確な理由があると考えた方がよい。

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