2022.02.07

もう食べずにはいられない…!? 「昆虫食」が世界で“大ブーム”なワケ

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もう1つご紹介したいのがトノサマバッタです。体長の20倍もジャンプしたり、長距離を飛び続けたりするなど、身体能力の高さは昆虫界でも随一で、それを支えているのが後ろ脚や羽のついている胸を中心にぎっしり詰まった筋肉です。

トノサマバッタ/NHK提供
 

筋肉を作るのに必要なのがたんぱく質ですが、バッタの戦略はとても単純で、食べ物からたんぱく質を得ることです。しかし、バッタの主食であるイネ科の植物は、たんぱく質をそれほど多く含んではいません。そこで、トノサマバッタは、大量に食べる“大食漢作戦”でたんぱく質を体に蓄えています。最初の脱皮までの最もたんぱく質を必要とする成長期には一日に自分の体重の3倍もの量を食べるのです。

たんぱく質を作り出す方法にこれだけ個性があるのは、昆虫自体が非常に多様性に富んだ生き物だからです。昆虫の種類は、現在知られているだけでも100万種類にものぼり、地球上の生物種の半分以上にもなります。様々な昆虫たちが、それぞれの環境に適した戦略を作り上げてきたと考えられるのです。

様々な戦略を持つ虫たち/NHK提供
様々な戦略を持つ虫たち/NHK提供

昆虫食の研究を行う東京農工大学准教授の鈴木丈詞さんは次のように話します。

「虫が多様だということは、次々と新しい環境に順応してきた証です。まず、昆虫が小型で様々な環境に適応しやすかったことです。そして、生育に応じて変態することで、姿や食べ物を変えることができ、競合する虫のいないニッチな環境に入り込むことを可能にしました。さらに、羽を持ち移動できることもニッチな世界への進出につながりました。こうして様々な環境で生きていくための、多様な戦略と機能を持ったのです」(鈴木さん)

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