2022.02.06
# 年金

本当の“生活苦”はこれから…ニッポンの高齢者を苦しめる「おカネの三重苦」

物価上昇、社会保険料増加、年金減額
鷲尾 香一 プロフィール

負のスパイラル

21年5月19日の『「70歳定年」のウラで、じつは日本中で「貧しい高齢者」がめちゃ増えていた…!』で取り上げたように、今や生活保護受給世帯の半数以上(21年10月時点で55.5%)は、65歳以上の高齢者世帯となっていることを取り上げた。(表2)

表2

高齢者の健康保険も年金も、現役世代からの徴収によって支えられている。従って、高齢者の社会保障費負担を増やし、年金受給額を減額し、現役世代の負担を軽減しようという考えはわからなくもない。

だが、高齢者が物価上昇や社会保障費の増加を受ければ、生活苦による生活保護受給世帯数の増加に拍車をかけることなり、それは社会保障費の増加という“負のスパイラル”につながる。

 

岸田政権は経済界に3%以上の賃上げを要請するなど、賃金引上げに非常に前向きだ。しかしながら、賃金が上がっても、健康保険料や雇用保険料、介護保険料といった社会保障費が引き上げられることで、賃金上昇効果が相殺されてしまうことには“無頓着”のようだ。

社会保障費を負担しても十分な形で実質賃金が上がり、これをベースに年金受給額が増加するという“正のスパイラル”になるように、経済成長を促す政策を進め、社会保障制度の抜本的な見直しを行う必要がある。

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