2022.02.13
# 宅配便

「送料無料」がドライバーも宅配便会社も苦しめる…改めて問う「送料」の価値

元ドライバーが明かす「本音」
二階堂 運人 プロフィール

送料無料は「無賃乗車」と変わらない?

無論、再配達はサービスであり再配達の分など請求できるわけなく、はじめから再配達を見越して再配達料金が送料に含まれてもいない。再配達が増えれば増えるほど、配達ドライバーの1個の荷物の送料のインセンティブが減っていくのだ。

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よくテレビやネットで「送料無料」や「送料サービス」といった謳い文句を、耳にしたことや目にしたことがないだろうか。こうした言葉を聞くたびに、荷物を届ける配達ドライバーは自分たちが蔑ろにされていると感じるであろう。実際、私はそう感じた。その商品を家に届けてくれる人がいる限り、送料は常に発生しているはずなのに。

ECサイトで商品を買うと、送料はその商品の一部として捉えてしまうことが多い。また送料がかかる商品を見ると高いと感じてしまい、損をした気分にさえなる。「送料無料」や「送料サービス」という言葉が勝手に一人歩きしてしまい、いつしか送料そのものが商品の一部や、商品の付加価値となっている。

しかし、よく考えてみよう。電車や車でショップに買いに行ったときに、その交通費やガソリン代は買った商品に付随したものと考えるだろうか。大袈裟であるが、「送料無料」という言葉は「無賃乗車」とそうたいして変わらないのではないのか。

私はセールスドライバー時代、ある一般家庭に荷物を集荷に行ったとき、その家の婦人に言われたことがある。

「あら、そんな値段でいいの? 自分で届けたらお金も時間もかかるからね、助かるわ」

その婦人の「本当は自分で届けたい」という意識がそう言わせたのかもしれない。もちろん届ける距離にもよるが、何かしらの交通機関を使うことを考えると荷物にかかる送料は決して高くはない。それに届ける時間のことを考えればなおさらである。

例えば、東京の人が北海道の名産物をほしいとする。北海道に行く往復の交通費と、それに要する時間の対価が送料なのである。そう考えれば安いと感じるだろう。

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