2022.02.08

月経前の不調は我慢するもの…? 仕事や学校に行けないのは「甘え」ですか

知ってほしい、「PMDD」のこと
旦木 瑞穂 プロフィール

以来、筆者は、「不調の原因が分からず苦しんでいる女性は他にもいるはず。私のように絶望する女性を1人でも減らせたら…」と思い、PMDDに関する記事を精力的に執筆し、2020年9月には、facebookグループ「月経前の悩みに寄り添う会」を立ち上げた。LINEのグループチャットでも月経前の悩みを抱える者同士で相談し合う場を設ける他、「月経と仕事」「月経と妊活」などテーマを設定して、当事者同士で話し合うオンライン座談会を開催するなどしている。

 

男女平等に「知ること」の重要性

PMDDと診断されて以降筆者は、小学校の性教育の授業で「月経前の不調を取り上げること」「男性に月経を知ってもらうことの重要性」を強く感じた。現在は男女一緒に性教育を受ける学校が増えているが、筆者の時代は別々に受けるか、男子は全く学ばない学校もあったようだ。

筆者の夫は、「小学校で性教育を受けた記憶がない」と言う。「女性には月経というものがあり、月に1回出血がある」くらいのことは知っているが、もちろんPMSもPMDDも知らず、筆者が月経前にイライラしたり情緒不安定になったりし、ケンカが増えることについて、長い間疑問に思っていたという。

もしも男性にも月経についての正しい知識があったなら、夫婦間の衝突が減ったかもしれない。最も身近な存在である夫からアドバイスがあれば、もっと早く適切な医療機関にかかることもできたかもしれない。

そして、もしも月経のある女性が、早くから「PMSやPMDDという病気があること」や「症状が重くて辛い場合は、治療する方法がある」ということを知っていたら、ただ我慢して過ごすことはなかっただろう。すぐに医療機関にかかり、長い間苦しまなくても済んだし、家族に迷惑をかけることもなかったように思う。

高等学校の養護教諭を務める千川さんも、こう話す。

「私は看護大学で月経周期や症状の把握方法などを学んでいたので、自分の不調が月経に関係するものだとすぐに気づき、医療機関につながることができましたが、学んでいなかったらもっと時間がかかっていたと思います。現状多くの生徒は、高校までに、月経前の症状や月経管理の仕方を学ぶ機会はありません。月経の記録のとり方を教えてもらうだけでも月経はずいぶん管理しやすくなり、自分の不調に気づきやすくなるのではないでしょうか」

最近は、小学校低学年で初経を迎える子や、中学で月経前の不調が現れる子もいる。小学校の性教育で取り上げることはもちろんだが、忘れてしまわないよう、繰り返し触れて知識を定着させることが求められる。

千川さんは25歳で結婚しているが、「PMDD」と診断されて以降、千川さんが倒れたり寝込んだりし、パニック発作を目の前で起こすようになると、自然と夫が食事の支度や片付けを担当してくれるようになったと言う。

「夫ははじめ、私が『PMDD』のことを説明して、うつ症状についてのパンフレットを渡しても、全く読んでくれませんでした。でも今では、私がきつそうな時は、食べやすそうなものを作って食べさせてくれますし、病院や仕事の送迎もしてくれます。洗濯や掃除は私がやりますが、できなくても一切文句は言いません。理不尽にイライラして当たってしまっても、なるべく我慢して、寝室でゆっくりするように促してくれます。正直、ここまで支えてくれるとは思いませんでした」

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