2022.02.08

月経前の不調は我慢するもの…? 仕事や学校に行けないのは「甘え」ですか

知ってほしい、「PMDD」のこと

小学校・中学校で、記憶に残るような性教育を受けたことはあるだろうか?

女性なら現在、生理前・生理中・生理後の精神的・身体的症状に悩んでいないか? 男性なら精通や夢精があったとき、自分が包茎だと知ったとき、誰にも相談できずに不安にならなかったか? マスターベーションをすることは、「いけないこと」「後ろめたいこと」だと感じていないか? 恋人同士や夫婦は、「セックスは挿入を伴わなければならないもの」と思い込んでいないだろうか?

これらはすべて、性の知識不足や歪みによる弊害だ。そしてこの弊害は、実は日本各地で日常的に起こっている。人知れず月経に悩む女性が少なくないこともそのひとつではないだろうか。ある女性のエピソードを紹介しよう。

※以下、医学的な内容については、丸の内の森レディースクリニック院長の宋美玄先生が監修しています。

【監修医師プロフィール】
宋美玄(そんみひょん)/産婦人科専門医・医学博士。丸の内の森レディースクリニック院長。周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、インターネット、雑誌、書籍で情報発信を行う。産婦人科医の視点から社会問題の解決、ヘルスリテラシーの向上を目的とし活動している。

社会人1年目で体に不調が出始める

養護教諭を務める千川葉月さん(仮名・27歳・既婚)は、22歳で看護大学を卒業し、高等学校に勤務し始めた翌年、23歳の頃から体に不調を感じ始める。

写真はイメージ/photo by iStock
 

主な不調は、眠気、疲労感、頭痛、腹痛、腰痛、肌荒れ、食欲増加などだが、中でも眠気と疲労感は、気がつけば月経の1週間ほど前から繰り返し現れるようになっていた。毎日40分ほどの車通勤をしていた千川さんは、帰宅時の運転中に抗えないほどの強い眠気と疲労感に襲われるため、途中のコンビニの駐車場などで仮眠を取ってから帰宅するしかなかった。

社会人になって3年後、千川さんは通勤時間が2時間ほどかかる高等学校へ異動になる。すると、さらに症状が強くなり、月経の2週間以上前から症状が現れ始める。それに伴い、帰宅時の仮眠時間も長くなり、車内で2時間以上寝てしまうことも。やがて、異動前は帰宅時だけだった仮眠が、朝の通勤時にも必要になった。

関連記事