明治43年(1910年)の菓子の図案と木型。まさかココアにされるとは…

そんなコメントと共にツイッターに投稿された写真には、明治時代に作られたとは思えないほど“ゆるキャラ”風の犬の図案と和菓子の木型、そしてその木型通りにかたどられた菓子が映っている。先日投稿されたこちらのツイートはバズリ、引用RTには「かわいい!」「明治の頃の図案とは思えない」といったコメントが溢れている。

ゆるキャラのような木型は昔から存在する

ツイートを投稿したのは、京都で200年以上の歴史を持つ老舗和菓子屋「亀屋良長(かめやよしなが)」の8代目店主・吉村良和さん。写真に映っているのは、季節限定(3月中旬まで)で販売されるショコラショー(ホットココア)、その名も「chocolat 笑」だ。犬の顔型の濃厚なココアと竹型のミルクをカップに入れてお湯を注げば、ショコラショーになる、という仕掛けだ。

犬の顔は濃厚なココア、竹はミルクでできている〔PHOTO〕吉村良和さんのTwitterより
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なぜ「笑」なのか吉村さんに聞くと、「『犬』と『竹』の漢字を合わせると『笑』になるので、犬と竹の組み合わせは古くから縁起がいいものとされているんです」とのこと。

見ているだけでほっこりしてしまう犬の顔だが、このような“ゆるキャラ”のような動物の顔の和菓子は昔から存在したのだろうか。

並んでいるとじわじわくる〔PHOTO〕吉村良和さんのTwitterより

「京都の和菓子は、江戸時代にこの地で花開いた『琳派』の影響を強く受けています。琳派は俵屋宗達、尾形光琳などで知られる日本美術の一派で、漫画のように簡略化された線の絵柄をデザイン性高く描くのが特徴です。絵柄も技巧的というより愛らしいものが多い。だから、京都でも愛らしいものが好まれる文化が育まれたんです」(吉村さん、以下同)

かわいいものが好まれるから、動物をモチーフとした和菓子も多く存在する。ちなみに、昔のもので犬をモチーフとしたものはあるが、猫をモチーフとしたものは見たことはない吉村さんは言う。