2022.02.04

人手不足が経済回復の足かせ? 新型コロナ下で外国人労働者増やせず

中国人労働者減りベトナム依存高まる

ベトナム人労働者、中国人を上回る

新型コロナウイルスの蔓延に伴う「水際対策」の厳格化で、外国人の入国が難しくなっている。ここ数年、日本における人手不足は外国人労働者で補われてきたが、その入国もままならない。経済活動を再開させようにも、人手不足がネックになる可能性が出てきた。

厚生労働省が1月末に公表した「外国人雇用状況(2021年10月末現在)」によると、日本で働く外国人は172万7221人で、1年前に比べて2893人(0.2%)の増加にとどまった。2015年から2019年まで2ケタの伸びが続いてきたが、新型コロナの影響で入国ができなくなり、2020年の4.0%増よりもさらに伸びが鈍化した。

国籍別に見ると、中国人が5.3%減の39万7084人と、東日本大震災後の2012年以来9年ぶりに減少した。日本側の水際対策だけでなく、「ゼロコロナ」政策を取り続ける中国政府が渡航を厳しく制限していることが大きいと見られる。中国人に代わって日本での外国人労働の「主役」になっているのがベトナム人。2.1%増の45万3341人と2年連続で中国人労働者の数を上回った。

ベトナムは技能実習生の最大の送り出し国で、35万人あまりいる技能実習生のうち20万人を占めている。ベトナム国内で日本語教育などを行う送り出し機関が、日本の受け入れ機関と連携して大量の技能実習生をまかなっているが、「実習」は事実上名目で、実際は「出稼ぎ」である。日本への渡航費など多額の借金をして日本に来る労働者も多く、かねてから「技能実習の闇」として問題視されてきた。

かつて技能実習生の中心を占めていた中国人の技能実習生は5万人あまりにまで減少した。「専門的・技術的分野の在留資格」を持つ人が3割を占める他、留学生などの「資格外活動」として働いている人も2割近くを占める。さらに、中国人労働者の在留資格で最も多いのは永住者や日本人の配偶者など「身分に基づく在留資格」を持つ人たちで、3割を占める。

中国人労働者の場合、一時的な「出稼ぎ」から、正規の労働者として働く「定住」型の労働者が増えてきている。待遇の悪い技能実習生を敬遠する傾向も広がっている。

 

国籍別で次に多いのがフィリピン人で、2021年は19万1083人と3.4%増えた。フィリピン人の場合、永住権を持っていたり、定住している「身分に基づく在留資格」が7割以上を占める。

13万4977人いるブラジル人労働者の99%も「身分に基づく在留資格」で働いている。ブラジル人の場合、バブル期などに日本に働きに来て製造業の現場を支えた日系人などを中心に、国内にコミュニティを作って定住している人が多く、2世世代の人も増えている。

このところ急増していたネパール人が2021年は9万8260人と1.4%減少。分類して統計発表されるようになった2014年以降、初めての減少となった。これは新型コロナによる「水際対策」の影響が大きいとみられる。

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