ドイツのコロナ規制で侵害された「子供の権利」を取り戻すための公開書簡が示すこと

英国は規制の全面解除に踏み切ったのに

変異株は子供の権利を侵害する理由にはならない

1月9日、ベルリンのシャリテー病院付属のウイルス研究所の主任を27年間も務めたデトレフ・クリューガー教授を初めとする7人の医学者や専門家らが連名で出した公開書簡が公表された。宛先は、ショルツ独首相、および各州の首相ら、そして、連邦と州のすべての保健大臣である。

前書きの部分を邦訳すると、こうだ。

Gettyimages

「大人を守るため、我が国は昨年、ヨーロッパで最長期間、学校や託児所を閉鎖、および制限し、その負担を青少年に負わせた。そのために生じた学習、発達上の障害、精神的・物理的な健康上の被害については、膨大な数の記録があり、反論する者はいない。

今後の制約については、通常の学校運営を行った場合、青少年に実質的な危険がおよぶという場合のみ、考慮の対象になる。しかし、それを示唆するようなものは、現在、何もない。つまり、次のことが今なお有効だ。託児所と学校(を通常通り運営した場合)のリスクは微小である(斜字はママ)。防疫措置は青少年ではなく、リスクグループに焦点を合わせるべきだ」

ドイツでは2020年3月から5月、その後、再び11月ごろより多くの学校が閉鎖、あるいは、非常に制限された状態での開校を余儀なくされ、それが昨年の初夏辺りまで続いた。また、その間、放課後のスポーツクラブや音楽教室も閉まり、14歳以上の子供は外で遊ぶことさえ大幅に制限された。

オンラインの授業も試みられたが、理想的には進まず、子供たちの学力は低下、また、運動不足で肥満になったり、鬱になったりした。それどころか、自殺未遂も増えた。

 

子供をこのような状況に追い込んで平気な顔をしている政治家の頭の中が、私には今でもわからない。「ウイルスは変異する。しかし、それが子供の権利をここまで侵害する理由にはならない」というのが、前述の書簡の言わんとするところだ。

しかも不可解なことに、毎日コロナのニュースしか取り上げないメディアが、これら子供たちの苦悩についてはほとんど報じなかった。時たまニュースに出てくるのは、インテリアブックの挿絵のような美しいリビングで、ホームオフィスの母親とオンライン授業の子供が、広いテーブルにそれぞれパソコンを広げている微笑ましい映像ばかり。

結局、学校閉鎖は、そんな恵まれた境遇にない子供、また、親の保護を満足に受けられない子供を直撃した。つまり、本来なら学校を一番必要としている子供たちの将来に、取り返しのつかない大きな禍根を残したのである。

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