岸田政権のコロナ対策大迷走…「5類」への変更を議論する前にやるべきこと

在宅療養の体制構築を急げ

オミクロン株が猛威を振るい、再び「医療崩壊」と呼ぶべき事態となっている。岸田政権の迷走ぶり、医療現場でおこなわれている最新の「オミクロンシフト」について、『コロナ戦記 医療現場と政治の700日』(岩波書店)の著者でノンフィクション作家の山岡淳一郎氏がレポートする。

 

検査がまったくできない

地方での対面の仕事で、先方の承諾を得るために東京都の「PCR等検査無料化事業」にリストアップされた薬局やクリニックに片っ端から電話をかけて検査を依頼しようとした。が、無駄だった。

23区内の薬局は呼び出し音が鳴り続けるか、「混みあっていますのでおかけ直しください」の応答ばかり。町田市のドラッグストアの電話がつながったものの「PCR、抗原検査キットともいつ入荷するかわかりません」と言われて諦めた。友人から抗原検査キットを譲ってもらい、自分の陰性を確かめて切り抜けたが、徒労感に打ちひしがれた。

感染症対策(早期発見・隔離・治療)の基盤である検査が足りていない。感染者を見つける手段が破綻して、はたして経済を回せるのだろうか。

新型コロナウイルス・オミクロン株の大流行に対し、政府は、感染力の強さよりも重症化率の低さを重視して緩和策を打ち出してきた。オミクロン株の潜伏期間の短さや、ウイルス排出のピークが発症後というデータもあることに基づき、濃厚接触者の待機期間は14日から10日、7日と短くなった。

エッセンシャルワーカーについては、「陽性者との最終接触日の翌日から4日目及び5日目に、抗原検査キットを用いて検査を実施してください。2回の検査で陰性であった場合、5日目から解除が可能です」と厚生労働省は1月28日に通知した。

ところが、抗原検査キットがまったく足りない。れっきとしたエッセンシャルワーカーである保育士の多くが濃厚接触者となり、自宅待機を強いられている。1月31日、厚労省は、全国で全面閉鎖している保育所などが37都道府県644カ所に上ると公表した。娘の保育園が閉鎖された男性は、「私と妻が在宅勤務のやりくりをして、順繰りに世話をしていますが、在宅しやすい私の負担が増え、不公平感で夫婦仲がぎくしゃくしています。行政のサポートはとくにありません」と嘆く。

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