東大卒の才女として様々なメディアで活躍する山口真由さんは、現在、妹さんと一緒に暮らしている。Twitterなどで姉妹の楽しいやりとりを披露しているが、実は「姉」としての立場にずっと葛藤があったという。あるとき悩んだ末に卵子凍結を決めた山口さんが、姉妹の不平等を感じ「姉と妹を代わってもらおう」と決意したという前編【東大卒・山口真由が“姉”をやめたくなった日…卵子凍結で感じた「姉妹」の不平等】から続く後編です。

妹は、なぜか神様に愛される

私は無防備に眠る妹を見下ろす。彼女は無邪気だ。あっけらかんとしている。今日もワインをグラスで何杯かひっかけてご機嫌に微笑む。

私は採卵の前にはお酒は控えていたのに。私は節制したのに。私は厄払いもしたし、お腹も温めたのに。私は正しく生きている。彼女は甘ったれた日々を送る。

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「えー、厄年ってなに? えー、っていうか飲んでも関係なくない?」と、終始、無頓着の妹はなぜかいつも神様に愛される。多忙も飲酒も運動も、ライフスタイルと採れる卵子の数は全く関係ないのだとか。

私は合理的な人間で、その科学的な事実を完全に理解している。だいたい、生殖の機能と女性の能力を結びつけるなんて時代錯誤も甚だしい。「産めないのか」とヤジを飛ばした自民党の都議と同じくらい間違っている。だけど、どれほど正しい知識も教養も、わきあがる非論理的な自責や憐憫をどうしても、どうしても止めてくれなくて……

そこで、私は妹の寝顔を見下ろす。呼びかけるとにんまりと笑う。何かを咀嚼するようにもぐもぐと口を動かす。暑いのかお布団をはぐ。露わになったお腹を脚を、私はじーっと見下ろしている。一体私はどんな顔をしてこの子のことを見下ろしているのだろう。鏡は見られない。怖い。