2022.02.04
# 東大

東大理三OBの医師が、“東大前刺傷事件”を見て「複雑な気持ち」になったワケ

我々大人が反省すべきこと
仁科 友里 プロフィール

少年に足りなかったもの

Bさんは少年には“あるもの”が足りなかったのかもしれないと推測する。

「私の同僚は私大卒の開業医の息子ですけど、子どもの頃から成績が悪いと親に殴られていたと聞いて本当に驚きました。うちは普通のサラリーマン家庭でしたけど、勉強しろなんて言われたことはありませんし、殴られたこともない。

勉強っていうのはクイズの延長みたいなところがあるし、人よりできると嬉しいし、知的好奇心も満たしてくれる楽しいものなんですよ。楽しくなきゃ、がんばれないじゃないですか。少年が学ぶ楽しさを知らなかったとしたら、それを教えられなかった我々大人は反省すべきではないでしょうか」

 

現役生、卒業生は奇しくも「まだまだ、あきらめる必要はない」と同じ見解を持っていたことが印象的だった。

何の罪もない受験生や、お年寄りを切りつけたことに関しては、少年に同情の余地はない。しかし、少年に足りなかったのは学力ではなく、信頼できる人からの助言だったのかもしれないと思うと、やりきれなさを感じずにはいられない。

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