2022.02.11

なぜ日本ではDXがうまくいかないのか…? その「シンプルにして根本的な原因」 

いま、世界で注目されているDX(デジタル・トランスフォーメーション)。しかし、日本では、世界と比べ導入がうまくいっていないと感じる人も多いのではないだろうか。日本でDXが進まない背景には、日本と西洋の「文化」の違いがあると、麻生川氏は指摘する。一見つながりがなさそうな「DX」と「文化」の、実は深〜い関係を解明する!

道具に技巧をビルトインする西洋の発想

かつてアメリカに留学中、ホームステイ先の台所に数々の調理器具があった。それらは、芋や人参の皮むき器や缶切り機のように、単一の機能を果たすために作られていた。これらの器械は素人でもすぐに使えて、一定レベル以上の機能を果たす。しかし、今はそうでもないが、数十年前の日本では包丁一本で様々な用途に使っていたものだ。この発見をきっかけとして、いろいろ考えていくと、西洋の道具と日本の道具には一定の傾向がみられることがわかった。本論はこの時の経験をベースに日本文化の根源となる考え方をさぐると同時に、なぜ日本ではDXがうまくいかないのかを解明する。

 

ところで、作物を育てる場合、同じように種を撒いても、うまく育つ場合とそうでない場合がある。稲は乾いた土地ではだめだが、湿地ではよく育つ。麦はその逆だ。単純化すると、作物が育つ/育たないというのは、種と土壌との相性による。これと同じく、ある産業が育つ/育たないというのは、国民性との相性が関連している。

最近のITの進展に伴い、世界的な傾向としてDXがビジネスを大きく変えるといわれている。大量生産の製造業では成功した日本がDXで遅れをとっているのは、日本文化や日本人の考え方がデジタルと相性が悪いせいだと私は考える。「そんなことはない!」と思われるかもしれないが、ビジネスの世界は何も経済合理性の観点からだけでは説明しきれない。好き嫌いや相性というファジーな部分も考えてみる必要がある。まず、デジタルの西洋とアナログの日本という点を考えてみよう。

Photo by iStock

関連記事