遅れに遅れる「オミクロン株対応」…支持率低下の「岸田政権が迎えた正念場」
早期に緊急事態宣言を発出できるか!?永田町で噂される楽観論

取材生活を送っていると、時に耳を疑うような話を聞くことがある。
先週、政治の街・永田町の関係者からは、オミクロン株が猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大が「1両日中にもピークアウトして沈静化する」という楽観論がまことしやかに流れていると聞かされた。
詳細を質すと、「日々更新される多様なデータをインプットすることで、予測が日々修正されることが最大の特徴らしい」という以外、具体的にどんなデータがどういう風にインプットされ、どのような処理を経て、どれくらいの精度を期待される予測なのか詳しいことはよくわからない、という。
ただ、永田町ではなかなかの評判で、この予測に基づいて「オミクロン株は1両日中にも終息するので、もう特別な対策は不要だと多くの国会議員が話している」というのだった。
万が一、このピークアウト予測が当たったとしても決して楽観はできない。というのは、欧米や沖縄といったオミクロン株の感染爆発が早期に起きたケースをみると、ピークアウト後も新規感染者数がなかなか減らず記録的な感染が続くからだ。
これこそがオミクロン株のもう一つの脅威であり、入院が必要な患者が増え続けたり、死者が急増したりする事態に繋がりかねないポイントなのである。
まさか岸田政権までもが永田町で流布されている楽観的な情報を鵜呑みにしているわけではないだろうが、政府のオミクロン株対応は目を覆いたくなるほど遅れている。ブースター接種は途上国並みのテンポだし、早期の緊急事態宣言の発出にも否定的だ。
本当のところ、これまでに、オミクロン株についてわかってきたことは何なのか。新聞やテレビの報道をベースに錯綜する情報を整理したうえで、政府に求められる対応を考えたい。