2022.02.02
# 企業・経営

日本電産、ユニクロ、ソフトバンク…「名経営者の後継者問題」、その“頭の痛い現実”

日本電産の後継者をめぐるブルームバーグの報道が波紋を呼んでいる。同社創業者で会長の永守重信氏が、CEO(最高経営責任者)の座を譲った日産自動車出身の関潤社長に失望しているという内容で、同社は否定しているものの、カリスマと言われた永守氏に代わる人材を見つけるのが難しいのもまた事実である。

真偽の程はともかく、同社の後継問題が再び提起された格好だが、ソフトバンクグループやファーストリテイリングなど、同様の問題を抱えた成長企業は多い。

日本電産の業績は、永守氏の手腕にかかっている

日本電産は永守氏が1973年に創業した企業であり、日本メーカーの多くが競争力を失う中、圧倒的な業績を維持してきた。日本に残った最後のモノ作り企業とも言える同社の成長が、永守氏の卓越した手腕によってもたらされていることについて疑う人はいない。

京都の零細企業に過ぎなった同社が躍進するきっかけとなったのは、パソコン用ハードディスク・ドライブ(HDD)のモーターだが、同社がHDD用モーターへの巨額投資を決めた当時、日本メーカーのほとんどはパソコン市場の成長について半信半疑だった。市場の急拡大を直感した永守氏は、多くの資源をHDD用モーターに集中投下し、この分野における圧倒的なナンバーワン企業となった。

永守会長〔PHOTO〕Gettyimages
 

その後、積極的なM&A(合併・買収)に乗り出し、たちまち巨大企業に成長した。同社はM&Aにおいて失敗したことがないと言われているが、すべては永守氏の驚異的な目利きのたまものである。難易度の高いM&Aを次々と成功させ、あっという間に巨大メーカーを作り上げる才覚は、パナソニック創業者である松下幸之助氏以来かもしれない。

関連記事