マンガ/蒼井まもる 文/FRaUweb

「内密出産」を求める女性たち

2022年1月4日、「国内初の内密出産」となったのではというニュースが報じられました。熊本の慈恵病院が会見を開き、「内密出産」を希望する女性が2021年12月に出産していたことを公表したのです。今後出産した女性の意思で内密出産とはならない可能性もあるといいます。

内密出産は、子どもを出産した母親が、出産に立ち会う医療機関に保険証などで身元を明らかにしつつも、戸籍など身元を明かさずに行う出産です。熊本の慈恵病院は、孤立出産や新生児遺棄などを防ぐため、2007年から「こうのとりのゆりかご」という赤ちゃんポストも設けてきました。この事例の直前10月にも、10代の女性が内密出産を希望しながら、出産後に身元を明かし、内密出産は回避されたことが報じられました。

重要なのは生まれてきた子どもの命を守り、母も子も孤独にしないこと。そこに向き合う慈恵病院の姿勢は、とても大切です。

ではなぜそれ以前に「望まぬ妊娠」が起きるのか。好きな相手と抱き合いたい。触れたい。それはとても素敵なことなのに、性行為そのものが「悪いこと」とされてしまう。しかし、「悪いこと」は性行為そのものではないはずです。

妊娠の可能性をきちんと知らないのに性行為をすること、
感染症対策や避妊をしないこと、
相手が望まないにも関わらず無理に性行為をすること、

――そのような行為によっておこる「望まぬ妊娠」は後を絶ちません。そして妊娠出産や性についての「性教育」が日本ではなかなか進んでいないことがその大きな原因だと問題視されています。性のことを自分事として向き合う必要があります。

高校生の性のリアルを多くの取材をもとに蒼井まもるさんが描いた漫画『あの子の子ども』は、高校生の立場、親の立場、友人の立場……性のことを自分事としてを考えさせてくれる一冊です。

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高校生の性のリアル

蒼井まもるさんが別冊フレンドにて連載している『あの子の子ども』は、高校生カップルが、妊娠に直面する物語です。主人公の福と彼氏の宝のカップルが初めてセックスしたのは15の夏。お互い大好きで、相手に触りたくてたまらなくなり、それからは「時間と場所があればしました」といいます。
「一度触れるともう止まらなくて、欲しくて欲しくて他になにも考えられなくなる」

(c)蒼井まもる/講談社『あの子の子ども』1巻より

コンドームはしています。でも一度それが破けたことがありました。また、こんな会話もしています。
「矢沢がさ、彼氏としたんだってついに。で、痛かったからもうしたくないってそれから誘われても拒否ってたら振られたんだって」
「ひでー、ひでーよそれ、ヤリモクじゃん」
「矢沢は本当に好きだったのに。初めてするときだって怖いのに勇気出してしたのに。だって痛いって聞くし、そもそもそこにあれが入ると思わないじゃん普通。でもそれ以上に、好きな人としたいって気持ちが勝つんだよねえ

(c)蒼井まもる/講談社『あの子のこども』1巻より

この子たちは「悪い子」でしょうか。「特別な子」でしょうか。