2022.02.01
# 相続税

これから「年金生活者」に起こる、恐ろしい現実…インフレで追い込まれる「老後の生活」

子供のために、生前贈与や相続税対策をやる—昨年末までは、これが常識だった。しかし'22年に入り、インフレという”異変”が起きている。考え方を転換できなければ、老後生活は崩壊しかねない。

物価も税金もどんどん上がり、年金は下がる

なぜ生前贈与をしてしまったのだろうか—。都内在住の山田進さん(76歳・仮名)は近頃、これまで子供たちに渡した計800万円のことを思い出し、ため息ばかりついている。

「孫の教育資金200万円から始まり、長男の家の頭金として400万円も出してあげた。さらに昨年末には、『生前贈与の特例が使えなくなるかもしれないから、今のうちに相続税対策をしたほうがいい』と聞き、長男と次男に100万円ずつ渡しました」(山田さん)

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定年時、約5000万円の財産を持っていた山田さんだったが、次男が連れてきた税理士によると「贈与をしたことで、相続税を80万円減らせた」という。子供や孫から「ありがとう」と伝えられ、山田さん自身も満ち足りた気持ちだった……。

ところが'22年に入ってから、判断が間違っていたのではないかという疑念を抱き始めたという。

「おカネが全然足りないことに気付いたんです。大きいのは、年始に妻がくも膜下出血で倒れたことでした。幸い緊急手術をして一命はとりとめましたが、リハビリを含めて3ヵ月以上の入院になりそうです。高額療養費制度を使っても30万円近い出費になるうえ、再発の可能性も高い。さらに歳を取ればこうした病気が増えていくのかと思うと、憂鬱です」

出費がはね上がる

しかし、山田さんが不安に思っているのはこれだけではない。

昨今のインフレへの恐怖感も高まっているのだ。パスタ(2〜9%値上げ)、コーヒー(約20%値上げ)、食パン(2〜10%値上げ)など、昨年の秋ごろから「値上げの波」が広がっていた。一つ一つは小さくとも、ボディーブローのように家計のダメージが積み上がる。

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