一行目から馬脚をあらわした 岸田首相の『文藝春秋』寄稿の笑止

「新しい資本主義」は「新しい社会主義」か?

もう、お里が知れる

本コラムでは、これまで岸田政権のグダグダ、モタモタを散々と書いてきた。

2021年12月13日付の「この一ヵ月で岸田政権が間違えた3つのこと」、同27日付の「年の瀬までグダグダ・モタモタの岸田政権 いったいどこに向かうのか?」など,
いくら書いても書き足りないくらいだ。これほど「とろこい」政権はひさしぶりだ。

筆者は、岸田政権の本質を「左派」だと見てきた。そこで新年早々に出版したのが『岸田政権の新しい資本主義で無理心中させられる日本経済』(宝島社)である。

岸田首相は、『文藝春秋』2022年2月号に「新しい資本主義」を寄稿した。本コラムの読者であれば、昨年、矢野財務次官が寄稿した『文藝春秋』11月号の原稿について、筆者が会計学的・金融工学的観点から「落第」判定をしたのを覚えているだろう(2021年10月11日付「財務事務次官『異例の論考』に思わず失笑…もはや隠蔽工作レベルの『財政再建論』」)。またも同じ『文藝春秋』上の出来事なので、苦笑せざるを得なかった。

Photo by GettyImages
 
Photo by GettyImages

岸田首相の寄稿を、筆者も早速読んでみた。この種の雑誌寄稿は、実際は首相の首相のブレーンが執筆するものだが、当然岸田首相が了解済みのものだ。

失笑ものの矢野氏の寄稿を、岸田氏は容認した。それだけでも問題だと思うが、今度は一応本人名義の寄稿である。

総字数は1万をやや超える程度であるが、はじめの1節を読んでみて、さっそく「お里」が知れてしまった。

はじめの1節は、問題意識や検討対象を述べる重要な箇所だ。そこではこう書かれている。

〈市場や競争に任せれば全てがうまくいくという考え方が新自由主義ですが、このような考え方は、1980年代以降、世界の主流となり、世界経済の成長の原動力となりました。他方で、新自由主義の広がりとともに資本主義のグローバル化が進むに伴い、弊害も顕著になってきました。〉

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら

関連記事