ALS(筋萎縮性側索硬化症)を検索すると「感覚があるままに体が動かなくなる病気」という説明が多くあります。もう少し詳しい説明を探すと「筋肉が動かなくなってしまう」と書かれています。そして「現在、効果の認定されている治療法がない」と言われていることで知られています。前回は、罹患から3回目の新年を迎えての私のALSの進行状況をお話しました、今回は治療法がないと言われている中、大切だと感じている対症療法などを交えてのお話をしたいと思います。

2019年3月に足に異変を感じ、検査入院を経てALSを告知された声優の津久井教生さん。今も3月で30周年を迎えるニャンちゅうの声も元気に聞かせてくれているが、実は体はほとんど動かなくなっている。治療や介護についてリアルを綴る連載「ALSと生きる」で、前回はALSという病気は「今が一番元気」だということを改めて伝えてくれた。今回は、津久井さんが告知から2年半たった今、とても大切だと感じている「対症療法」について、特に「食べること」にクローズアップしてお送りする。
2020年の「ニャンちゅう」チームの皆さん。左から比嘉久美子さん、津久井さん、鎮西寿々歌さん 写真提供/津久井教生
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「今が一番元気」という現実をふまえて

前回の連載でALS(筋萎縮性側索硬化症)の特徴である「常に今が一番元気であること」をお伝えさせていただきました。同時にこの難病が多くの方に注目されつつも治療法に関してはこれからだということも分かっていただけたと思います。「早く治療法が見つかることを祈っています」というコメントはありがたく、私自身も研究者の皆さんにエールを送りたいと思います。

ニャンちゅうのTシャツとパーカーを着て笑顔の津久井さん。「今が一番元気」の今を大切にしています 写真提供/津久井教生

治験もそうなのですが、治療法が見つかった時にそれに対応できる状態でいたいなぁと思っています。現在の私の病状の進行ですと治験を受けることが難しいのです。何かの成果が研究で発見されていく治験ですが、受ける罹患者の制約もかなりあるのです。「津久井さんは治験を受けないんですか?」とよく聞かれるのですが、なかなか受ける事が出来ないくらいに症状が進行してしまいました。

でも、治療法が見つかった時には率先して受けたいという気持ちはあります。ですから今が一番元気な状態をなるべく維持しておきたいと思うのです。出来ればその治療法は、進行を止めるだけでなく、快方に向かうものであれば言うことはありません。対症療法としてやっている様々な状態から、自力で呼吸をして、自分で食事を食べて、手足を自分の意思で動かすことが出来るようになっていきたいです。

様々な種類がある対症療法です。現時点で私は「体重管理をしていくこと」を対症療法の一環としてとらえています。ALSに罹患すると体重減少が始まります。これを食い止めようとすることが、ALSの進行を遅らせていく事になると思えるのです。体重維持は心と体のリハビリになると思って続けています。