2022.02.01
# 医療 # 社長 # 週刊現代

医療・介護用ベッドの老舗が「ベッドが使われない世の中」を目指すワケ

「パラマウントベッド」木村社長に聞く
夏目 幸明 プロフィール

新しいサービスを実現するには、グループを挙げて取り組むことが必要だったのですが、なかなか重要性が理解されず、現場のスタッフに協力してもらうまで時間がかかりました。

コミュニケーションで大切なことは、自分が何を言ったかではなく、相手がどう受け取ったか。今も強く心に留めています。

「声」に向き合い、応えること

当社が長く事業を続けられたのは、結果的に時代の流れに乗れたからです。祖父がベッドの製造を始めたこともそう。

その後も、国が「1つの県に1つの医科大学をつくろう」と施策を発表する数年前には生産設備を増強するなど、時代の要請に少しだけ早く対応してきました。

あとは社員全員でユーザーの声と真摯に向き合ったからです。音声で動く介護ベッドなどを世のニーズに先駆けて開発できたのは、現場の営業がお客様の声を伺い、これを社内で共有すると技術者が応える、というシステムがあるからでした。

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最近嬉しかったのは、ベッドの利用者からお手紙をいただいたことです。

「事故に遭い体が麻痺した私が、入院中、他者の力を極力借りず食事ができたのはこのベッドがあるから」という内容で、私は年頭の挨拶で社員皆と共有しました。また、音声操作で動くベッドにも「感謝で涙が出た」といった投稿がありました。

今、当社の医療・介護用のベッドは日本中で約300万台使われています。そして、利用されている方たちの最も近くにいるのは私たちなのです。

これからも多くの方に教えを乞いながら、世界を明るくしていきたいと思っています。(取材・文/夏目幸明)

木村友彦(きむら・ともひこ)
'77年、東京都生まれ。'00年に慶應義塾大学経済学部を卒業し、'08年にパラマウントベッドへ入社。'10年に執行役員事業戦略本部副本部長に就任し、'13年に子会社・パラテクノの代表取締役社長に。その後、'15年からパラマウントベッドの取締役等をつとめ、'20年代表取締役社長に就任、以来現職

『週刊現代』2022年1月29・2月5日合併号より

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