2022.02.01
# 医療 # 週刊現代 # 社長

医療・介護用ベッドの老舗が「ベッドが使われない世の中」を目指すワケ

「パラマウントベッド」木村社長に聞く
夏目 幸明 プロフィール

歴代経営陣から受け継いだもの

私は創業者の孫にあたります。祖父は戦時中の金属供出で、戦後、病院のベッドが不足したことに着目しました。そして医療関係の方の要望を丁寧に伺い、一から医療用ベッド等を開発しました。

祖父は後に「看護師さんに教えていただいたから今がある」と、看護教育の助成を行う財団を設立しています。

一方、ちゃきちゃきの江戸っ子だった祖母は亡くなる寸前まで私に「調子に乗るんじゃないわよ、あんたが偉いんじゃないよ」と言っていました。「いい時も驕らない」、私はこれが祖母からもらった家訓だと思っています。

photo by iStock
 

父の言葉で印象に残っているのは、社長職を私の叔父に託した後、しみじみ口にしたことです。

「社長だと、社員に対しての責任が大きいから仕事に口を出したくなるし欠点も目につく。でも、会長になると孫を見るような目で社員を見られるから、いいところばかり見えるよ」と言うんです。経営者の愛情を見た気がしました。

現場への「伝え方」のコツ

成功体験は医療用ベッドのメンテナンスを行う子会社の社長時代の出来事です。

病院では看護師や技師の方が、その資格がなくともできる仕事も任され、疲弊しがちでした。また差額料金を払って個室に入った患者の方から「見合ったサービスを受けられていない」と苦情が出る例もありました。

そこで我々は医療現場のお困り事を広く解決するコンシェルジュ的なサービスを行おうとしたのです。これにより会社は進化しました。しかし、この時は自社グループ内でビジョンの共有が不十分だったのです。

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