意外と知らない…「QRコード」を開発したのは日本人、その知られざる開発秘話
知恵とアイデアの“驚き技術”スマホ決済に飛行機・電車のチケット、サイトのURL読み取りなど「QRコード」は、わたしたちの暮らしに欠かせないものになっています。
QRとは“Quick Response”(クイック・レスポンス)の略で、その名の通り、0.03秒という超高速で読み取り可能であることが最大の特徴です。しかも、コードに格納できる情報量はバーコードのおよそ200倍。数字なら最大7089文字、英数記号や漢字だって格納することが可能です。
このQRコードを開発したのは日本のエンジニアということをご存じでしょうか。もともと工場の生産管理のために開発されたもので、生みの親である産業機器メーカーの原昌宏さんが、低予算かつ短期間で開発するために知恵とアイデアを振り絞った発明品だったのです。
驚きの画像認証技術はどうやって生まれたのか、QRコードの秘密を徹底解剖します。
(NHK「サイエンスZERO」取材班)

“低予算”かつ“短期間”で開発されたQRコード
QRコードの開発が始まったのは1992年、バブル崩壊の時期でした。当時、自動車工場の部品管理で使われていたバーコードは格納できる情報量が少なく、たくさんの数・量を使わなければなりませんでした。さらに、工場の油などで少しでも汚れると、正確に読み取れないこともありました。
開発者の原さんは、開発が始まった経緯をこう語ります。
「バブルが崩壊して、それまで普及していた会社のバーコード事業も窮地に立たされたので、上司から、次の新たな市場を創造するものを作るよう命じられました。当時はあまり予算が付けられなかったので、ハードウェアの開発は断念し、知恵とアイデアでできるコード開発をしようと決めました。
私たちは企業での開発なので、『2年くらいでやらないと次はないのかな』という気持ちで、2年という形で期間を設定してやらせてもらったんです」(原さん)