今さらだけど、菅義偉は正しかった...感染大爆発でわかった「アピール嫌い男」の強さ

小倉 健一 プロフィール

認証店のほうが損する!

自治体を驚かせたのは、政府が示した飲食店などへの時短要請に関する基本方針だった。その方針とは、(1) 認証店は午後9時までの時短営業で酒類提供もOK (2) 認証店は午後9時までの時短営業で酒類提供はNG (3) 非認証店は午後8時までの時短営業で酒類提供もなし──の3つの選択肢を指す。飲食店が協力に応じれば事業規模に応じて協力金を支払う流れで、どれを選ぶかは自治体の判断に委ねることになったのだ。

地域によって店舗や感染者の数、医療提供体制が異なるのは言うまでもない。よく言えば、岸田政権の「柔軟性」があらわれた方針と見ることもできる。だが、この3つの選択肢が設定された理由は「政府への批判回避」だったと見る向きは少なくない。1月9日に「まん防」が適用された沖縄県では、時短要請に応じた認証店の方が非認証店よりも協力金が5000円少ないことに批判が殺到。認証店の取り消しを求める動きにつながった。

Photo by GettyImages
 
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新たに「まん防」の対象地域となった自治体の対応にもバラつきがみられる。東京都や神奈川県は酒類提供と営業時間を選択できる政府方針に基づいた仕組みを採用したが、岐阜や長崎、宮崎の3県は認証店・非認証店ともに飲食店の営業時間は午後8時までで、酒類提供の自粛を求めることになった。

18日は大阪府で全国最多の5396人の新規感染者が確認されたものの、吉村洋文府知事が「まん防」要請基準について府内の病床使用率が「35%」に達した場合と独自に判断しているため要請は見送り、政府からの「指定」もなかった。吉村氏はオミクロン株の特性を踏まえた国の対応を求め、「ここについて専門家、国の議論がない」と不満をにじませる。

政府が「まん防」適用時の行動制限の緩和策としていた「ワクチン・検査パッケージ」をめぐっても混乱を生じている。昨年11月に岸田政権が閣議決定した経済対策(財政支出55.7兆円)は「ウィズコロナの下で、一日も早く通常に近い社会経済活動の再開を図る」とした上で、対策の効果の最大化にはワクチン接種を証明して制限を緩和する「ワクチン・検査パッケージの活用」を掲げた。

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