見知らぬ人はすべて「不審者」、行き過ぎた通報も…平日昼間に出歩く中年男性の僕が困惑した理由

赤木 智弘 プロフィール

「偏見」の存在

そうした偏見は日本にずっと存在している。

僕が印象的に覚えているのは1990年代、日本に大勢の中東系の人たちが出稼ぎで流入してきた時代のことだ。

その当時、上野公園や代々木公園には中東の人たちがたくさんたむろしていた。それに合わせるように僕の住んでた地方でも「女性が中東の人に連れ去られた」という噂を何度か聞いたことがある。つまり、これまでは日本でほとんど見かけることがなかった中東系の人が急激に増えたことで、彼らが「不審者」として扱われたのである。

つまり「不審者」とは、その場にあまりそぐわないと我々が見なす「マイノリティ」を指すのである。

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平日昼間の公園で成人男性が不審者扱いされるのは、本来であれば成人男性は平日の昼間は仕事をしているのが当たり前だという考え方から来ている。90年代に中東系の人たちが不審者扱いされたのは、それまでの日本ではあまり見かけない人たちだったからだ。

そして最近の日本では新型コロナの騒ぎから、不審者に「マスクをしない人」や「他都道府県ナンバーの車」なども追加された。また、精神や身体に障がいを抱えており、歩き方やたたずまいに特徴のある人も、不審者として認識されがちである。

こうして我々は日々「不審者」を生み出し続けているのである。

 

しかし、実態としては日本で子供が巻き込まれる犯罪は減り続けている。令和3年版の警察白書によると、13歳未満の子供の被害件数は平成23年が2万9784件だったのに対し、令和2年では8788件に著しく減少している。

令和2年といえば新型コロナの影響があると考えられるが、少なくとも新型コロナの関係が極めて薄い令和元年でも、被害件数は1万1885件にまで減っているので、減少傾向は明らかだ。

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