2022.01.29
「お前よりお姉ちゃんのほうが可愛い」、ダメ男と付き合ってしまう26歳女性に「母親がかけていた呪い」
行政書士であり公認心理師でもある佐藤千恵さんが、ご自身が受けてきた相談をもとに様々な人間関係の悩みについて考える本連載。今回は、いわゆる“だめんず”とばかり交際をしてしまう女性についてです。
“だめんずの達人”
弊事務所にご相談やカウンセリングにいらっしゃる女性の中には、幼い頃から親によって成長を否定される、ひいては成長と共に女性らしくなっていく自分を拒否される、そんな「マルトリートメント」(=「不適切な養育」のこと)を受けてきた方もいらっしゃいます。今回はこういったケースについて、いつものようにプライバシーに配慮し再構成した形でご紹介いたします。
数年前に事務所にいらした冬香さん(来所時26歳、仮名〔以下同〕)は、関東で看護師をしていました。おしゃれで華やかな雰囲気の方で「一緒にいたら楽しそうな人、きっとモテるだろうな」という印象です。

しかしそんな冬香さんは、
「私、選ぶ男性がみんな問題のある人で、友人には“だめんずの達人”って呼ばれています」
とおっしゃいます。では、どんな男性と交際してきたのかと聞くと、暴力的な人、お金を借りた後すぐに音信不通になった人、そして最も多かったのは「女癖が悪くて浮気する人」でした。
「いい加減そういう男性ばかり選ぶ自分にも原因があるんじゃないかと思って、それでカウンセリングを受けたいと思いました」
ここから冬香さんとのカウンセリングが始まりましたが、後にこの主訴(悩みのうちの主要なもの)の背景に、母親から受けた大きな傷つき体験があったことが分かります。