2022.02.10
# 飲食

「日本料理にメインディッシュはない」銀座の「世界的料理人」がそう語るワケ

一つひとつが大切な「物語」の要素
奥田 透 プロフィール

「物語のスタート」をどうするか

その中でも、特に気を遣うのは最初に出す料理です。

つまり、物語のスタート時点での料理です。

最初にお出しする料理は、お客様の想像を超えたものにするのか、逆に意表を突いた素朴な料理からスタートするのか、その時の私の考えるシナリオ一つで大きく変わります。

具体的には、最初に節句や行事をイメージしたきれいな八寸盛りからスタートする時もあれば、素朴なお浸しや和え物、寒い季節などは二口程度で終わるような温かい野菜のすり流しからスタートすることもあります。

もちろん、二品目以降も気を抜いているわけではありません。煮物碗やお造り、焼いたもの、蒸したもの、揚げたもの、炊いたもの、お食事、デザートに至るまで、魚や野菜やお肉などをふんだんに使い、何回も何回も、食材と料理とお客様の顔を思い浮かべながら考え抜きます。

 

銀座でオープンして18年が経ちますが、毎月1回1年にして12カ月、18年間、通い続けてくださるお客様が、ありがたいことに何組もいらっしゃいます。

そういったお客様の期待に少しでも応えられるように、毎月、ない知恵を振り絞っています。

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