2022.01.28

あなたの年金に直結…岸田政権の「賃上げ税制」によって「格差」がさらに拡大しそうなワケ

【前編】「「年金0.4%カット」と「インフレ」で「年金生活者の負担」はこれだけ増える…! 衝撃の試算」では、年金の0.4%カットによって生活負担がどれだけ増えるかを見ました。

日本が採用している「マクロ経済スライド」では、物価や賃金が上がると、「実質的」に年金がカットされることになっていました。けれど、もっと大きくカットしたいと考えた国は、2016年に新たに、物価が上がっても賃金が下がれば年金額も「実質的」ではなく「実際」にカットされる仕組みを作りました。この新しいルールでは、賃金に合わせて年金支給額が決まるため、インフレ下にあっても年金の支給額が減ります。いま起きていることは、まさにそれ。

一方、年金に大きな影響を与える賃金に関して、岸田政権は賃上げを標榜しています。しかし、政権が繰り出す政策によって、本当に賃金が上がるのでしょうか。以下では、そうした点について経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説します。

〔PHOTO〕iStock
 

「賃上げ税制」で、給料は上がるのか?

もちろん物価が上がっていても、同じように賃金も上がっていけば、「マクロ経済スライド」でいずれは実質目減りしても年金支給額も上がっていく可能性はあります。
そこで期待したいのが、賃上げを高らかに明言している岸田文雄内閣の「分配重視政策」です。しかし、本当にこれで賃金は上がるのでしょうか。

岸田内閣の賃上げの目玉は、2022年度の税制改正にも掲げられた「賃上げ税制」です。企業が非正規従業員を含む全従業員の「給与総額」を前年度比2.5%以上増やせば、法人税額を大企業で最大30%、中小業で最大40%控除する(安くする)というものです。

12月6日の所信表明演説でも、岸田首相は「給料を引き上げた企業を支援するための税制を抜本的に強化します。企業の税額控除を、大胆に引き上げます」と力強く述べました。

ただ、この中身をじっくり見ましたが、個人的には、これではとても給料は上がらないという気がします。

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