2022.02.01
# 学校・教育

中学受験を終えたわが子に、親はどう接したらいいか

令和の中学受験 保護者のための参考書
わが子の中学受験に、保護者は適度な距離を保ちながら寄り添わなければならない。中学受験にあるべき保護者の姿勢とは…?
計27年間中学受験の世界に身を置く作者、矢野耕平が受験で後悔しない方法を伝授。塾の新学期は2月から…『令和の中学受験 保護者のための参考書』で保護者も中学受験を“正しく”理解しよう。>これまでの連載はこちら!

中学受験を「終わらせる」のも親の務め

わが子の中学入試が終わりました。

第一志望校に見事合格できたかもしれませんし、残念な結果に終わってしまったかもしれません。

いずれにせよ、保護者にはわが子に労いのことばをかけてほしいと願います。

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この点について、わたしがことあるごとに披露するエピソードがあります。

中学受験に挑んだ1人の少年(仮にAくんとしておきましょう)についての話です。Aくんは小学校3年生の後半から塾通いを始めました。理由はAくんの父親の母校である慶應義塾大学の付属中学校に進学したいと考えたからです。

Aくんと会話をしていると父親の話がよく登場します。Aくんにとって無口で少し怖い父親は近寄りがたい反面、その口ぶりからは父親に憧れている気持ち、誇りに思う気持ちが感じられました。

Aくんの中学受験勉強は決して順風満帆というわけにはいかず、紆余曲折あったものの、どうにか慶應義塾大学の付属中学校を「挑戦校」として狙えるかもしれない成績までになりました。

しかし、入試結果は不合格。第二志望校である男子進学校に進学を決めたのです。

第一志望校の夢が破れたAくんの落胆ぶりは相当なものでした。ただ、救いはAくんの母親が第二志望校(仮にB学園としましょう)の進学を心から喜んでいたことです。

「B学園だったら一流の進学校なのだから、がんばれば慶應義塾大学よりもっと難しい大学に行けるかもしれないわよ」

そんなふうに声をかけていました。

そして、数ヵ月が過ぎ、Aくんが中学校生活に慣れた頃、彼は塾に立ち寄ってくれたのです。

Aくんは開口一番こう言いました。

「ぼく、いまの学校に通い続けながら、高校受験で慶應の付属高校を目指したい」

聞けば、中学受験で慶應義塾大学の付属中学校に不合格になったのが悔しくてたまらないとのこと。両親はどう考えているのかをたずねると、母親は反対していてB学園で中高生活を謳歌すべきだと言っている。一方、父親は黙して何も語らないとのことでした。

わたしはどちらかというと母親の考えに賛成だと伝えました。なぜなら、Aくんは別にB学園に不満があるわけでなく、ただただ中学受験結果を引きずっているだけだと感じたからです。

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