2022.01.28
# 転職

「これじゃ話が違う!」商品開発のプロとして転職した30歳男性の「驚きの配属先」

近年、新入社員の間では「配属ガチャ」なる言葉をよく聞く。入社時の配属先が会社都合で決められ、ソーシャルゲームの「ガチャ」のように、当たり・外れがあることから生まれた言葉だ。

しかし、新卒ならずとも、会社の都合で希望とは違う部署に配属されるケースもある。今回、社労士の木村政美氏が解説するのは、中途採用で、希望とはまったく異なる部署に配属された男性の事例だ。なぜそのようなことが起きたのか……?

今より月給10万円アップの職場が見つかった…!

A沢さん(30歳・男性、仮名=以下同)は、大学卒業後に就職した甲社で自社商品の開発業務を担当していた。仕事はとてもやりがいがあったし、上司や職場のメンバーとのチームワークも良かったので会社の居心地は良かった。しかし日曜、祝日は休みだが隔週土曜は出勤し、月に50時間の残業をこなしていたにもかかわらず、給料が安いことがどうしても気になっていた。

学生時代から自分の将来や老後に不安を感じていたA沢さんは、就職後からすぐに給料天引きの積み立て預金を始め、毎月通帳の残高を眺めては「もっとお金を貯めなきゃダメだ」と思っていた。

Photo by iStock

しかし昨年、甲社では新型コロナの影響で業績が落ち込み、夏のボーナスが例年の20%しかもらえなかった。この時、ボーナス分からの預金が全くできなかったことに大きなショックを受け、同時に今まで抱えていた給料に対する不満が一気に爆発した。

思い切って甲社よりも給料の高い会社に転職することにしたA沢さんは、その後ネットで複数の転職サイトに登録し、転職情報をこまめに見るようになった。

8月下旬、A沢さんのメールアドレスに転職サイトから求人募集の連絡が入った。早速メールを開くと、機械部品メーカーである乙社が、退職者の後任として商品開発課に勤務する技術職限定の正社員を募集しているという。募集要項を読んでみると、土日祝日が休みにも拘わらず月給は甲社より10万円も高く、おまけに残業は月10時間以内と書いてあった。仕事内容、給与や残業の条件などA沢さんの希望にほぼピッタリだった。

「この会社に転職できたらもっとお金が貯まるぞ」

A沢さんはすぐに乙社にアプローチをかけ、面接の約束を取り付けた。面接に臨んだA沢さんは乙社の人事担当者から、採用時の労働条件が募集要項と同じであることの説明を受け納得した。また会社側もA沢さんが作成した詳細な職務履歴書を見て、キャリア的に問題ないと判断し、ぜひ採用したいと大乗り気になった。そして面接日の翌日、A沢さんは乙社から正式な採用通知を受け取った。A沢さんの退職を知った甲社の上司や職場のメンバー、同僚たちからはかなり引き留められたが、それを振り切って10月から乙社で商品開発課の一員として働くことになった。

 

これじゃ、サギと同じじゃないか

10月に入り、乙社に初出勤したA沢さんは、新しい職場である商品開発課の部屋に入ろうとしたところ、採用時に面接を担当したB富人事部長(以下、「B富部長」)から呼び止められ応接室に案内された。

その場でB富部長から入社時に必要な手続きの説明を受けた後、最後に「労働条件通知書兼雇用契約書」なる書類を渡された。そこにはA沢さんが面接時に説明された労働条件と同じ処遇が記載されていた。給料の額をいちばん気にしていたA沢さんはその内容を見てホッとし、B富部長に勧められるまま書類に署名・捺印した。

しかし、その後B富部長は意外なことを口にした。

SPONSORED