2022.01.31
# 学校・教育

中学受験は「課金ゲーム」ではない 子どもの成績を伸ばすために親ができること

令和の中学受験 保護者のための参考書
矢野 耕平 プロフィール

「課金」が意味をなさない場合

これを中学受験に適用して考えてみましょう。

「運営者側」が「中学受験塾(あるいは、家庭教師など)」、「利用者側」が「保護者」、「ゲームの主人公」は「子」に相当します。子の成績レベルを向上させるためには中学受験塾に「課金」する必要があるのでしょうか。

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この点について、わたしの回答は少し歯切れの悪いものになります。

「中学受験塾が設定している平常授業に加えて、小学校の休暇期間におこなわれる季節講習会は参加したほうがよい。小学校5年生、6年生になれば、子にとって有益と感じられるオプション講座も積極的に受講してほしい。しかし……」

わたしが、「課金」が意味をなさないどころか、かえって子の成績を低迷させるきっかけになると痛切に感じているのは、「他塾」と併用する場合です。

中学受験生たちはメインの塾で4科目(あるいは2科目)の学習を進めていきますが、成績面で科目間のバラツキが出始めると、「個別指導塾で苦手な算数を見てもらおう」とか「家庭教師を付けて国語の記述の添削指導をおこなってもらおう」とか、保護者がわが子の学力面の不安から「あれもこれも」と「併用」させようとするケースが目立ちます

中学受験が終わったあとに振り返ると、小学校6年生の1年間で200万円、300万円を費やしてしまっていたなんていうことも、ざらにあります。

もちろん、それらの「併用」が功を奏することもあるのですが、別の指導を受けることで「メインの塾と指導の仕方が乖離していて子が混乱してしまう」「宿題量が増えてしまい、子が勉強を嫌がるようになってしまった」……そんな声もよく聞かれるのです。

ゲームとは違い、「課金」したからといって事態が好転する保証は何もないのですね。

そして、中学受験は「ゲーム」、すなわち「勝負事」ではないと強く感じます。中学入試は子の人生の岐路の一つであり、合格したから「勝ち」、不合格だから「負け」と単純に断言することのできない世界です。中学入学以降も子の学びはずっと続いていくのですから。  

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