補助で衰退した日本の半導体産業をTSMC誘致で救うことはできない

周回遅れの技術、得するのはソニーだけ

台湾の最先端半導体企業TSMCの工場を熊本に誘致するため、巨額の補助金が支出される。しかし、TSMCが日本に持ってくるのは古い技術であり、日本の半導体産業を復活させることにはならない。

日本の半導体産業が衰退したのは、ビジネスモデルを誤ったからだ。そして、補助づけになって衰退が加速した。

TSMCが日本に持ってくるのは、10年前の技術

日本政府は、台湾の最先端半導体ファウンドリTSMCの工場を熊本に誘致する。建設費8000億円のうち半分の4000億円を日本政府が補助する。これをテコにして、衰退した日本の半導体産業を復活させるのだと言う。

 

果たしてそうなるだろうか? ならないだろう。なぜなら、TSMCが日本に持ってくるのは、だいぶ昔の技術だからだ。

熊本工場で製造するのは、ロジック半導体だが、22~28nmプロセスのものだ(これがどういう意味かは、後述)。

TSMC新工場に隣接するSONY熊本工場  写真出所:熊本県

TSMCが28nmの量産を開始したのは、2011年のことである。つまり、これは、10年くらい前には最先端技術だったが、いまでは他の企業でも生産できる「レガシー」と呼ばれるものだ。

そうした古い技術の工場に国が補助金を支出して誘致しても、日本の半導体産業が復活することはないだろう。

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