2022.01.26

年間「5億」を売り上げたホストが初めて誕生…歌舞伎町“ホストバブル”の裏側にある「変化」

飯田 一史 プロフィール

主流の営業方法が「アイドル営業」になっている

――ホストも客の女性側も、自己評価も他人からの評価も「数字」と「容姿」に偏っている、と書いていましたよね。

佐々木 ホストに社会学者・見田宗介の『まなざしの地獄』の記述を見せたら「これ、俺らやん」と言っていました。見田は、都市空間で自分のアイデンティティを確立させようとすると服装や持ち物、容姿を、そこで価値があるとされるものに擬態する必要があると書いています。

ホストもハイブランドを本当に好きで着ていることはあまりなくて、単に商品価値を高めるために身に付けている。「1000万プレイヤー」という称号も同じで、ホストの世界は記号や数字で値札が付けられる場所だから、駆り立てられている傾向が強いのかなと。

[PHOTO]iStock
 

――従来のホストは色恋営業や本気営業による「恋愛関係」での売上が主流だったのが、いまホスト業界で成功しやすいとされる営業法が「アイドル営業」になっている、とのことでしたが、どう違うのでしょうか。

佐々木 色恋や本気営業は「関係性」を買っているから、客はホストからクローズドな空間で「お前が必要だ」「お前だけだよ」「結婚しよう」とか言ってくれることを望んでいた。結果、女性の側は「あの人、本当は私のことどう思ってるんだろう」みたいなことで悩むし、ホストの側も女の子の気持ちに深く入るから消耗する。

でもたとえばジャニーズを応援するときにファンが「中島健人くんにとって私ってなんなんだろう」と思うことはない。アイドルは「推す」存在であって、ファンもその人との恋愛関係を望んでいるわけではない。それと同じで、ホストもアイドルっぽく「応援したい」「推したい」存在になることで、客もホストもお互い気持ちには深入りしない。そのほうがホストは客数を増やせ、潰れずにやれる。

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