生活を直撃する「インフレ」、じつは「米中対立」が日本に大打撃を与えていた…!

日本企業は右往左往…

長くデフレが続いてきた日本でもインフレの兆候が出始めている。物価上昇の直接的な原因は原油や食糧など一次産品の価格高騰だが、実は米中対立という地政学的影響も無視できない。日本を含む各国企業は、米中どちらかの市場を捨てるのか、そうでなければ二重投資を行い、両国でバラバラなサプライチェーンを構築するかの択一を迫られつつある。いずれにせよ、これらの動きは確実にインフレを促進する。

物価上昇、「景気回復期待」だけが原因じゃない

総務省が発表した2021年12月の消費者物価指数は前年同月比でプラス0.8%となった。年前半までマイナスが連続していたことを考えると、かなりの上昇幅といってよい。消費者物価指数は最終製品の価格で構成されるが、企業の仕入れ価格に相当する企業物価指数は11月に前年同月比プラス9%という、オイルショック以来の伸びとなっている。企業は仕入れ価格の急上昇で利益が圧迫されており、幅広く製品に価格が転嫁されるのは時間の問題だ。

今回の物価上昇の直接的な原因は、原油価格の上昇とそれに伴う一次産品の激しい値上がりである。コロナ危機によって物流が混乱していることに加え、コロナ終息を見据えて各社が先行投資を強化していることから、資材の奪い合いになっており、これが多くの製品価格を引き上げている。

〔PHOTO〕iStock
 

だが、単純な景気回復期待だけでここまで物価が上昇するというのは通常、あり得ない。顕著な物価上昇が発生する時には、背後に構造的な要因があると思った方がよい。

構造的要因の一つは新興国のめざましい経済成長である。過去20年、アジアを中心に多くの新興国が経済成長を実現した。経済が豊かになると資源や食糧の消費が加速度的に増大するので、もともと世界経済は需要過多の状態となりつつあった。今後、続々と新興国が準先進国の仲間入りを果たすと予想されており、需要は増える一方となる。

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