2022.01.27

定年後に「4800万円」の住宅ローン返済で「地獄をみた」男性の大誤算

意外すぎる「落とし穴」があった

「持ち家vs賃貸」の不十分な議論

『持ち家VS賃貸』。これは永遠のテーマでもあり、さまざまな議論を耳にします。どちらの意見も間違いではないと思います。ただ司法書士の観点からは、『終わる』ときの問題点が完全に抜けていると感じています。

議論は、どちらが金銭的に得をするのか? に終始している印象ですが、単に支払総額の対比だけが問題ではありません。持ち家なら、最終的な処分の必要性も判断材料になるでしょう。

具体的には、相続が発生してそのまま家を承継して使ってくれるのか、それとも売却等の手続が必要なのかという点です。もし誰も相続しない場合は、処分してくれる人がいるなら良いのですが、そうでない場合もあるでしょう。

持ち家が売却できない価値になっている可能性もあります。その時はどうするのかということも「高い買い物」をする前に決めておかねばなりません。

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一方、賃貸物件の場合には、亡くなれば部屋を返すだけのことなので、処分に関しては問題にはなりません。 また最近では、隣人トラブルで殺人にまで発展するような事件が増えてきましたが、その点では賃貸物件の方が転居しやすいという点もあるでしょう。

ただ高齢になると、部屋が借りにくくなってしまうことが重要な検討材料です。高齢者に貸してくれる物件は築年数が経っているものが多く、いったん入居できても、物件の建て替え時に予期せぬ転居を強いられることもあります。

若い時の転居ならばまだ良いのですが、80代以降の転居は体力、気力的にも大変です。加えて貸してくれる物件はさらに減るので、精神的に追い詰められてしまうことになります。

つまりこの問題は金額面だけではなく、むしろそれ以外の部分のほうが重要で、その問題点に関しては個々の環境や状況にも左右されることから、判で押したような答えにはならないのです。

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