2022.02.11
# 映画

「怪獣造形の専門家」が語った、特撮文化の苦境とそこにある「希望」

新しいスタイルの怪獣映画を待ち望む

日本の怪獣造形の第一人者であり、『ゴジラ』シリーズをはじめ『ウルトラマン』や『仮面ライダー』など数多くの特撮作品の造形を手がけてきた若狭新一氏。そんな若狭氏が実に18年ぶりに怪獣造形を手がけたのが『大怪獣のあとしまつ』(2月4日公開)だ。CGやVFXによるデジタル映像が主流になっていくなか、日本が世界に誇る特撮造形技術の先細りを危惧する若狭氏に、怪獣造形の現状と未来への想いを聞いた。

『大怪獣のあとしまつ』にて怪獣造形を担当された若狭新一氏(松竹提供)
若狭新一(わかさ・しんいち)
1960年生まれ。東京都出身。東宝『ゴジラ』シリーズをはじめ、多くの特撮作品の造形に携わり、1988年の『モスラ3 キングギドラ来襲』で日本映画界初の造形プロデューサーに就任。以降も『ウルトラマン』シリーズのほか、『ヤッターマン』『GANTZ』『テラフォーマーズ』など大作映画の造形を手がける。『大怪獣のあとしまつ』(2022年)で『ゴジラ FINAL WARS』(2004年)以来の怪獣造形を担当する。
 

18年ぶり「怪獣造形」の仕事とは?

――まず怪獣造形という仕事について教えてください。

いろいろなパターンがありますが、基本的にはまずデザイナーが2次元のデザインを描きます。近年はスケッチよりもCGなどでデジタルの3Dデザインを起こす方もいますが、大半は2次元のものなので、それを3次元の模型に起こし直します。

そこからが怪獣造形の本格的な仕事ですね。監督が頭の中に思い描くイメージと僕の経験値から、造形上できること/できないことを擦り合わせていき、何度も作り直しながら、その作品の怪獣を実際に作り上げていきます。

実際の怪獣のスケッチ(松竹提供)

――『大怪獣のあとしまつ』は18年ぶりの怪獣造形と伺いました。この作品の怪獣「希望」は動かない死体で登場します。オファーを受けた時はどのように思いましたか?

『ゴジラ FINAL WARS』以降、『ウルトラマン』や東映の『戦隊シリーズ』『仮面ライダー』の劇場版で巨大怪獣らしきものは作っていますが、怪獣映画という括りで造形を担当した作品はありませんでした。

ちなみに東宝以外の作品も含めると、角川ヘラルドの『小さき勇者たち〜ガメラ〜』(2006年)が造形(原口智生氏)で怪獣を表現した最後の日本映画になります。そこで途絶えていたんです。

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