リモート終了。歩くと疲れ、尿漏れも…

「そういう不安が全て酒に向かった。ビールは経済的に負担が大きいので、箱ワイン(2L入り)と、業務用ウィスキー(5L)をネット通販で買って、氷と水で薄めながら飲んでいました。この量が2週間持たないこともありました。この頃になると、家にいると曜日感覚もなくなりました。外出もほとんどしないので、入浴しない日も増えていきました。本当に人目も気にしなくなり、2021年7~9月あたりは、人として終わっていたと思います」

世の中では“禁酒法”と揶揄される蔓延防止策が取られるなか、碧依さんはひたすら酒を飲み続けた。

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「あるとき、午前中から泥酔してしまい、支離滅裂な企画書を会社に送ってしまった。そのときに、上司から電話がかかって来たんですが、何を話したか覚えていないんです。呂律も回っていなかったと思います」

この頃、何度か「こんなに価値がない私は、この世から消えよう」と思ったこともあったという。風呂に入りながら酒を飲み、ヤバいと思いながらも眠ってしまい、溺れる前に寒くて目覚めたこともあったと振り返る。

その翌週、緊急事態宣言が明け、会社は「全員フルタイム出社」に切り替えた。

「今までリモートだったのに、急に『来ない奴はクビ』くらいの勢いでした。私はすでに上司から目をつけられていたので、オンライン面談を受けて、『絶対出社しろ』と言われたんです。『コロナが怖くて』と言ったら、『会社を辞めて、一生、家にいる?』とも言われて、これはマジだと」

初日の出社は体力、気力ともに地獄のような苦しみだった。

出勤しようと思っても、歩けない、疲れる、尿漏れはすると最悪だったという。photo/iStock

「通勤できる体力がないんです。会社まで50分程度なのですが、駅まで10分が歩けない。疲れてすぐに座りたくなってしまうんですよ。また、アルコールばかり飲んで、動いてなかったせいか、筋力も体力もめちゃくちゃ落ちていました。中でも困ったのは“尿漏れ”。くしゃみや咳を軽くしただけで、ジュッと下着を汚してしまうんです。駅のコンビニで尿漏れパッドを買ったら、生理用品の2倍程度の値段がするので驚きました」