リモートワーク中、試してみただけの昼飲に嵌る

「仕事中に飲酒!? と最初は思ったけれど、SNSを見ると、やっている人が意外と多くて。試しにグラス1杯だけ、“昼泡”(昼からシャンパン)を飲んだんです。すると、不安と解放感がないまぜになっていて……。結局、1本空けてしまった。あれが、自分の中のタブーを踏み越えた瞬間だったと思います」

と告白するのは、IT関連会社で営業を担当している32歳の小野碧依(あおい)さん(仮名)だ。

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人には、ふとした瞬間、陥ってしまう沼がある。そんなつもりはなかったのに、底が見えない沼に陥ってしまう。碧依さんにとっては、このシャンパンを口にした瞬間がそれだったのかもしれない。

アルコール依存というと、映画やドラマで描かれる姿は相変わらず、一升瓶やカップ酒が部屋に散乱し、汚れた服を着ている中高年の男性が多いが、実際には性別も世代も関係なく、その沼に堕ちてしまう人は多い。そんなアルコール沼に堕ちていく碧依さんの過程を『不倫女子のリアル』『貧困女子のリアル』 などの著書もある沢木文さんが取材した。

前編では、リモートワークで仕事へのやりがいを見失い、ふとしたきっかけでリモートワーク中に飲酒し始めた碧依さんのいきさつをご紹介した。朝起きてすぐに、缶ビールを開き、水代わりに飲み始めるようになってしまった碧依さん。その先の抜け出せない沼を後編では追っていきたい。

昼間飲まないと決めていたのに、1杯飲んだシャンパンがトリガーになることも。photo/iStock