「オタクを隠す葛藤は私が当時経験したもの」

作者のニコ・ニコルソンさんに本作が生まれたきっかけや作品に込める思いを語ってもらいました。

「『古オタクの恋わずらい』は元々90年代の懐かしネタを描きたくて始めた企画でした。最初はエッセイとして自分の経験をそのまま描こうと思っていたのですが、当時の担当K子さんと相談して恋愛を絡めた方が良いのでは?となりまして。

ところが私の青春時代は二次元がメインの恋愛だったもので描ける気がしない。というわけでエッセイではなくオリジナルのラブコメディとなりました。でも主人公サトメグがオタクを隠しながら学校生活を送る葛藤や失敗は私が当時経験したものです。

ジュディマリ、オザケンいいよねー、と言いつつもノートには心の恋人、飛影の下敷きを忍ばせるみたいな。二次元への溢れる恋心は胸に隠して生きていました。輝かしくも切ない時代。でもそんな自分があって今があるんですよね(遠い目)」

――作中の現代パートでは42歳になったサトメグと、オタ活を楽しむ16歳の娘・桜の対比が印象的です。

「今の世代の子がいう「オタク」はどこか後ろめたさを感じてた昔とは違って「私オタクだから〜」って自分から言えたり、「量産型ヲタク」って自嘲も含めつつ型を広げて楽しんでる感じがあって羨ましいなぁと思っていて。

その辺りの時代の流れというか、ジェネレーションギャップも描きたくて1995年と2021年をいったりきたりでサトメグの娘も出てくる構成にしてます」

――コミックス1巻の終盤ではちょっと不穏な展開もあったりして、この先が気になります!

「42歳になってもなおサトメグが捉われたままのオタクの呪縛は解けるのか? 17歳から42歳までのサトメグのカッコ悪くてバカ正直な人生と恋愛を見届けてもらえたら幸いです」

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担当編集者からの推しポイント

「1995年、未だ『自分がオタクであること』を公言できる空気は薄く、またインターネットも未発達だったので、好きなものの情報を得たり、同好の士と繋がることも一苦労でした。そんな時代にあって、オタクたちはいかにサバイブしてきたのか。この作品に描かれている一般人との壁や心の叫びには、古のオタクだった作者・ニコさんの実体験も多分に含まれています。

ただ辛いだけの回顧譚ではなく、現代にはない『熱気』をみんなが持っていた時代の記憶の物語であり、この作品に登場する、当時を彩った作品群も、時を超えて今なお愛されるものが数多くあります。熱かったあの時を一緒に懐かしみ、当時を知らない読者の方にも、今との違いを肌で感じていただきたいです」(担当編集者)