1995年(平成7年)。コギャル、ポケベル、プリクラ、ビーイング系に小室ファミリーに渋谷系……今、「平成」と言ったときになんとなくイメージされるものが盛り上がりまくっていた年と言っていいでしょう。Windows 95のリリースによって家庭へのインターネットの普及が徐々に進み、『新世紀エヴァンゲリオン』のTV放映も始まるというオタクカルチャーにとっても大きな出来事があった年ですが、今と違ってオタク趣味は「日陰の身」という意識が強かった時期でもあります。

そんな時代を舞台に、自分が好きなもの(=オタク趣味)を周囲に隠して生きることを自らに課した女子高生が主人公のマンガ『古オタクの恋わずらい』がいま、話題になっています。

懐かしさだけではなく、甘酸っぱくもほろ苦い、時にはピリッと胸に突き刺さるままならない恋模様を描いた本作。その魅力を、作者のニコ・ニコルソンさんからのメッセージとともにご紹介します。

マンガ/ニコ・ニコルソン 文/FRaUweb

「オタクがここまで市民権を得るなんて…嘘だろっ」

ニコ・ニコルソン「古オタクの恋わずらい」/講談社

佐東 恵42歳・シングルマザー。アニメ・マンガ・ゲームに2.5次元舞台などなど、オタクカルチャーが堂々とニュースを飾る令和の時代に未だ動揺を隠せない。16歳になる愛娘の桜はアニメキャラクターが全面プリントされた服を着て缶バッチやアクリルキーホルダーをじゃらつかせた鞄で元気に登校し、クラスで目立つギャルっぽい子ともごく普通に友達づきあいをしている。それがまた恵には信じられないのだった。
「こんな青春……私の時代にはあり得なかった!!」
そう、今を遡ること四半世紀以上前の1995年、恵は「オタク」であることを隠して高校生活を送っていたのだった。

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妄想の世界に沈む少女の前にリアル「ルカワくん」が!

オタクな趣味を持っていることを理由にクラスメートからいじめられていた恵は、転校を機に自らのオタク性を隠して生きることを決意する。しかし「元気な人気者キャラ」を演じた自己紹介は見事にダダ滑り、周囲が話しかけるのを躊躇するほど落ち込んでしまう。

苦しさを紛らわすため、大好きな『スラダン』の「ルカワくん」がこのクラスにいればいいのに……という妄想に沈んでいく恵。そんな彼女にちょっと強引に話しかけてきたのが、オールバックで一見コワモテヤンキーの正宗だった。

圧の強さとは裏腹に面倒見のいい学級委員である正宗のおかげで、恵はクラスのみんなとも打ち解けることができた。学校内を案内してもらい、最後に訪れた体育館で恵が見たのは、オールバックの髪を下ろして華麗にバスケをする正宗の姿……それはまるで、妄想の中の「ルカワくん」そっくりで……。

ニコ・ニコルソン「古オタクの恋わずらい」/講談社

なりゆきで一緒に下校することになった恵と正宗。いろいろあって急接近かと思われたが……はたして恵は「本当の私」を受け入れてもらえるのか、自らに課した「オタクは隠すもの」という呪縛を解くことができるのか……!?

ニコ・ニコルソン「古オタクの恋わずらい」/講談社