中国がアメリカを抜いて「経済で世界一」になる前に、日本が採るべき路線

経済はアジア、政治はアメリカ
羽場 久美子 プロフィール

かといって日米同盟を破棄する必要はなく、これは維持したままでよい。現状維持でよいから、QUADに加わって最前線で反中国の立場をとるのではなく、これまで通り、経済は中国・アジア諸国と、政治はアメリカと、是々非々で連携していくべきだ。反中国外交、ましてや反中国軍事同盟に与するのでなく、隣国との経済友好関係を持続しつつ、米欧の軍事同盟からは距離を取ることが日本の利益にかなっている。

仮に戦争になれば、広大な中国のみならずロシア・北朝鮮三方に対して、日本が一国で守りを固めなければならない可能性もある。その結果、細長く攻撃されやすい日本列島と市民が最大の被害を受けることになる。

北朝鮮の金正恩総書記とロシアのプーチン大統領[Photo by gettyimages]
 

東シナ海に「自由な航行」を主張して駐留するアメリカやイギリスの軍艦が万一攻撃されたとしてもその被害は数千人、他方、日本の大都市や原子力発電所が爆破されれば数十万人の被害が予想され、長期にわたる経済的・社会的停滞を被る。

核ミサイルが発射されたら、たとえ打ち落としてもその残骸の放射能が日本列島に広範に降り注ぐと、日本学術会議の物理学者は警告している。

この先、日本はどう動くべきなのか?

以上のように、2022年現在、バイデンのアメリカは、「価値の同盟」を掲げ、米豪日などと共に米欧の利害と主導権を守るために、中国の軍事的封じ込めを図っている。

日本はどうすべきだろうか。日本の経済的利益や、安全保障上の危険性などから考えると、米欧が進める軍事同盟には加わらないことが日本国の利益にかなうように思われる。加われば地政学的に、戦争の最前線になる。

たとえ日米同盟を維持したままでも、現在の米欧の軍事再編に対しては中立を保ち、中国をはじめアジアとは経済的関係、米欧とは政治外交関係というように、双方と交流を続けることは可能であろう。

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