中国がアメリカを抜いて「経済で世界一」になる前に、日本が採るべき路線

経済はアジア、政治はアメリカ
羽場 久美子 プロフィール

2017年11月、北朝鮮が射程1万3000キロの大陸間弾道弾を装備したことが明らかになった時、アメリカは北朝鮮に「長距離核ミサイル」を爆破させた。これでノーベル平和賞だとトランプ前大統領は豪語したが、現実ではさすがにかなわなかった。

次いでトランプは、2018年10月には、ゴルバチョフとレーガンが1987年に結んだ中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱すると表明した。すなわち北朝鮮から、ワシントンやニューヨークまでを狙えるミサイルを全廃させるとともに、欧州戦争を危惧して結ばれた中距離核戦力全廃条約から離脱することにより、「東アジアでの核戦争はありうる」という事実を容認したのだ。

慎重なインドと積極的な日本

インドもASEANも中国と国境を接するがゆえに、QUADや AUKUSには批判的である。しかし日本は現在、岸田政権を含めて、アメリカの要請に積極的に従おうとしている。しかしこれらの同盟に加わることは、日本にとって極めて危険である。日本が最前線になりうるからである。

では中国と結ぶのか。

中国とは経済・貿易における交流は続ければよい。その際に重要な“同盟”が「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」である。これにより世界の半分近い経済圏が東アジアのリードの下に入る。いずれ欧州もこれに連動する可能性がある。

中国の習近平国家主席[Photo by gettyimages]
 

一方で、中国と政治的・軍事的に結ぶ必要はない。しかし、中国やロシア、北朝鮮から日本に核ミサイルを撃ち込まれない程度の経済外交関係は維持し続けねばならない。

米欧の軍艦を無批判に次々と受け入れ、イージス艦を購入し、台湾だけと強い協力関係を結ぶのは極めて危険なことだと、日本のメディアはもっと報道すべきではないだろうか。

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