中国がアメリカを抜いて「経済で世界一」になる前に、日本が採るべき路線

経済はアジア、政治はアメリカ

21世紀初頭、国際社会を一国でリードしてきたアメリカは、2022年、もはや一国では中国を封じ込める力を持たなくなっている。そうした中、「価値の同盟」を掲げ、イギリス、オーストラリアに共同行動を呼びかけ、昨年12月には「民主主義サミット」を開催した。が、どうもうまくいっていない。

イギリスはEU(欧州連合)から離脱し、「グローバル・ブリテン(大英帝国再編)」を目指して、米英の軍事的連携を強めている。オーストラリアも、アジア、オセアニアでアジア人の経済力が拡大する中、米英との同盟強化により存在の再構築を図っている。

このような現状で、アメリカ、中国、ロシア、北朝鮮などに囲まれた日本は、どのように行動すればよいのだろうか? アメリカとの同盟関係を既定路線と決め込むことなく、今後の日本のアジア政策を考えてみたい。

アメリカ中心の「価値の同盟」

最大の特徴は、アメリカ・バイデン政権の「価値の同盟」戦略である。アメリカは、2021年6月のG7で「価値の同盟」を打ち出し、トランプ時代の同盟解消を脱し、イギリス・オーストラリア・日本と共に、アジアで強力な軍事再編を行ってきた。

アメリカのバイデン大統領[Photo by gettyimages]
 

なぜか?

問題は中国の「人権問題」ではない。

人権問題なら、アメリカの南部警察の黒人射殺、イスラエルのパレスチナに対するミサイル攻撃、ヨーロッパのイスラム嫌悪、日本のヘイトスピーチなど、あらゆる先進国も抱えている。確かに中国において権威主義的な傾向は拡大の予兆を見せるが、中国だけの問題ではない。

最大の問題は、中国の経済、IT、知力、軍事力すべてにおける強化に対する米欧の警戒感だ。アジアで急速に拡大する新興大国中国に対し、アメリカはもはや一国では中国に対抗できない。だからこそ、「価値の同盟」を表明し、組織化を図っているのだ。

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