日々闘い…組織のトップでいること

配信後、早くも日本の視聴ランキング1位となり、話題となっているNetflixシリーズ「新聞記者」。実際に起こった国有地払い下げや公文書改竄などの政治スキャンダルをモチーフとしたドラマで、映画『新聞記者』(2019)に引き続き、注目の若手監督の一人、藤井道人氏が手掛けている。

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権力の不正をとことん追求し続ける新聞記者の松田杏奈を演じる米倉涼子さんに加え、綾野剛さん、横浜流星さん、吉岡秀隆さん、寺島しのぶさんなど豪華キャストの共演も話題だ。

総理夫人秘書として国有地払い下げに関わる若手官僚を演じた綾野剛さん。
新聞配達をしながら大学に通う、政治に関心がない就活生を演じた横浜流星さん。

インタビュー前編【米倉涼子が“失敗しない”イメージ封印、「毎日戸惑った」撮影での意識の変化】では、米倉さんが初タッグを組んだ藤井道人監督との現場でのこと、パブリックイメージを封印した役づくり、テレビドラマとNetflixドラマの違いなどについて話を伺った。

このドラマには、「上の指示」「上で回ってる」というセリフがよく登場する。忖度や同調圧力、古い慣習で板挟みになる登場人物が描かれ、米倉さんが演じた松田も静かに戦い続けた一人。実生活では事務所の社長という“上”の立場にいる彼女に、組織のトップにいることについてどう考えているのか伺った。

「そうですね、出来上がったものを『これでどうですか?』と判断を仰がれる立場にはいます。思い描いていることがうまく進んでいないと、スタッフに対して『どうして進んでないのか?』と思ってしまうし、『いいよ、私がやるよ』って前に出たくなる衝動と闘っている日々です。きっと組織がもっと大きくなったらラクになる部分も増えるだろうなと思うんです。今は、どのプロジェクトにも目が行き届くし、現場の声も届く規模でやっている。スタッフを一人の人間として見て、向き合っている状態ゆえの悩みですね。独立してすぐの頃に比べたら、自分でやるべきことと人に任せるべきことがクリアになって、いろんなことが手放せるようにはなったかな。本業は芝居をすることなのに、経営者としての業務で本業の質が下がってしまったら元も子もないですからね」