老化は「進化」、失敗は「課題発見」…マイナスをプラスに一瞬で変える「言いかえの法則」
『バナナの魅力を100文字で伝えてください』の著書があり、「伝わるとはどういうことか」について考え尽くしてきた編集者の柿内尚文氏が、ちょっとした「言いかえ」でマイナスをプラスに変える技術を紹介する。
「言いかえ」で自分も楽しくなる!
「年をとることは老化ではなく進化」
これはあるインタビューで見た有名女優さんの言葉です。(一字一句そのままではないですが、こういう趣旨のことをおっしゃっていました)

この言葉に出合ったとき、年をとることへの不安が期待に変わりました。
それ以降、僕も自分の老化を感じたときは「進化だ!」と思うようにしています。以前はできるだけ若く見られたいという思いが強かったんですが、最近は自分の年齢を堂々と言えるようになりました。
ほかにも数多くの言葉にこれまで助けられ、支えられてきました。
言葉の力ってすごいですね。一見同じようなことでも、どういう言葉をのせるかで伝わる価値はまったく変わってきます。
どうせなら、自分にとっても、相手にとっても、ポジティブに伝わったほうがいい。背中を押してくれたり、嫌な感情を薄めてくれたり。そんなときに力を発揮するのが「言いかえ」です。
言いかえは「伝える価値を変換する」「伝える価値をずらす」ときに使う方法です。
さらに、自分を楽しくさせてくれる方法でもあります。
たとえば、雨が降っていて嫌だなと思ったときは「雨の日は天然加湿器で肌ケアの日」と言いかえてみると、雨で得をした気分になります。
僕は「つまらない」を「工夫不足」と言いかえています。そうすると、たとえば気乗りしない会議があったとしても工夫が足りないんだと思えて、その会議を自分なりに有意義なものにするための工夫をするようになります。
言葉の力は絶大です。だから、マイナスやネガティブなことはできるだけプラスに、ポジティブに言いかえて使うことで、心の調整もでき、行動を変えるきっかけにもなるのです。