日本がデータセキュリティ勝者となるために

日本のデジタル世界はリスクでいっぱい
インターポール(国際刑事警察機関=ICPO)でナンバー2として、サイバー犯罪対策を行うサイバーセキュリティ総局で初代局長を務めた中谷昇氏。2019年に警察庁を退官し、現在はZホールディングスの常務執行役員「Group Chief Trust & Safety Officer」を務めている。そんな中谷氏が、今回、『超入門 デジタルセキュリティ』(講談社+α新書)を上梓した。そこで、インターポール元幹部から見たデジタルセキュリティの現状について、サイバー安全保障やインテリジェンスなどに詳しい国際情勢アナリストの山田敏弘氏が話を聞いた。

デジタルインテリジェンスの弱さ

山田敏弘(以下、山田):中谷さんは日本のデジタル空間はどんな現状だと見ていますか?

中谷昇(以下、中谷):サイバー攻撃で機密情報を盗もうとする「サイバースパイ」や、国際的な犯罪組織がごちゃごちゃになって活動しているのが日本のサイバー空間です。

そして日本は、こうしたサイバー上の脅威を知るための情報収集、分析、評価活動がまだまだ十分ではないとも感じています。

山田:諸外国と比べても、サイバー攻撃対策も日本はまだ課題が多いのが実態ですね。

 

中谷:今の日本は、先進国で稀な「インテリジェンス特区」(サイバースパイへの法規制が非常に弱い国)になってしまっていると思います。日本は世界第3位の経済大国で、経済活動に関わるデータの量も非常に多い訳です。

しかし、サイバー空間での経済社会活動を守るために不可欠となる、脅威を特定し、分析するインテリジェンス活動が弱すぎると感じます。日本人のデータを守ることが出来るのかが心配になります。

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